知事のリーダーシップ?
- 2020年03月06日
新型コロナウィルスの感染防止対応について、鈴木知事のリーダーシップが海外でも評価されているようですが、気になる記事が日刊ゲンダイに掲載されていました。
一つは、知事が派遣を依頼した国立感染症研究所(感染研)の研究員についてですが、<羽鳥慎一モーニングショーで感染研のOBの関与が検査を遅らせていると暴露した岡田晴恵白鴎大学教授の言葉通り、知事が政府に要請して感染研から派遣された研究員が、道職員や保健所職員を委縮させ検査に影響を来した。>ようです。
道内の感染数が多いことから、政府に専門家の派遣を頼った知事の判断が裏目に出てしまいました。
二つ目は、北海道が政府に先立って行った「小中校」の全校一斉休校の判断です。
これも、日刊ゲンダイによると、<一部のメディアでは、知事が思い切った決断をし、国が追随したように解説していますが、その実は、財務省から道に出向している総合政策部の幹部職員が極秘で官邸と接触。そこで得た情報をもとに学校の一斉休校を打ち出し、さらには官邸が探っていた緊急事態宣言を国に先んじてやってみた、というのが真相です。つまり、鈴木知事が専門家の意見を聞いて独自に判断したわけではない。官邸としては、まず、北海道を❝実験台❞にして世論の反応を見ようとしていたわけです。>と書かれています。
まさに、知事が北海道の小中校一斉休校を要請した後に、官邸では安倍晋三氏が全国の小中高校の一斉休校を打ち出し、鈴木知事が法的裏付けのないまま緊急事態宣言を発し、併せて外出自粛を要請したことの影響を見た後、これも同じく安倍晋三氏が外出禁止やイベント等の自粛を求めました。
シナリオが出来すぎてはいませんか?
したがって、鈴木知事は強力なリーダーシップを発揮したのではなく、派遣を頼んだ感染研の研究員によって検査に支障をきたし、知事就任後に官邸に要請し中央省庁から道に出向いただいた幹部職員が、危機管理の段階で官邸の手足となって北海道を❝実験台❞にしたということになります。
まさしく、知事が言っていた新型コロナウィルスのモデルとなってしまったのです。
安倍晋三氏は、今、新型インフルエンザ等特別措置法改正に軸足を置き、法的根拠もなく言い出した鈴木知事の「緊急事態宣言」を法的に位置づける作業に入りました。
鈴木知事は、今更ながら「私権の制限は最小限にすべきだ」と全国知事会で話しているようですが、空疎に聞こえます。
ここまでの知事の言動を総括すると、知事と官邸は様々な政治的な思惑、いわゆる利用し利用される合うための一心同体であるということではないでしょうか。
知事は官邸とのパイプを自負していますが、官邸は知事を利用しながら観測気球を上げることができる自治体、官邸の思い通りになる自治体と位置づけているのだと思います。