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知的障がい者雇用

  • 2018年01月16日

 道内の特別支援学校では、知的障がいの生徒が清掃などの実習を行い、社会で自立するために、清掃機械の操作や清掃技術の取得だけではなく、挨拶や言葉遣い、礼儀など一般社会に適合できるように研修を行っています(清掃だけではなく他業種も)。

 そして、その研修を担っているのが実際にビルメンテナンスを業としている専門業者の方々で、無論、ボランティアで研修を受け持っています。

 新年度からは民間の「障がい者の法定雇用率」が現行の2.0%から2.2%に拡大され、対象企業の規模も従業員50人以上から45.5人以上となり、より一層障がい者の雇用が推進されていくものと思います。

 特別支援学校も、企業向けの見学会や企業訪問など、就労に向けての努力を行っていますが、企業の意識も今ひとつと言うところのようです。

 話を戻しますが、ビルメンテナンス会社は一方で人手不足ともなっており、清掃の研修を受けた障がい者の雇用を受け入れたいという思いを持っていますし、特別支援学校は研修した生徒の雇用先を確保するために努力しており、研修先が雇用先となることを期待しています。

 さらに、研修を受けている生徒達は、研修で指導してくれている指導員の務めている企業は、普段から人間関係も慣れていることから、その企業で働きたいと願っています。

 従って、三者が「ウィン・ウィン」の関係になることは、研修先の企業に研修生が就職することで満たされていくことになります。

 しかし、特別支援学校で研修を受けた生徒は、毎年卒業するわけですから受け皿のパイを整えていく必要が有ります。

 そのためには、道の所有する公共施設のビルメンテナンス業務の委託契約等で、入札に関わる点数制度において、障がい者への研修を無償で行い、その就労を支援する企業に対しての、インセンティブが求められます。

 道では、障がい者を雇用する企業から優先的に物品を購入するなどのインセンティブを既に行っていますが、特別支援学校への就労支援を行っている企業等へのプラスポイントの制度は有りません。

 このことについて、道庁を例に取ってもこの対策部署が縦割りとなっています。

 特別支援学校を担当する道教委は「学校教育局特別支援教育課」が、障害者の雇用を担当する保健福祉部は「福祉局障がい者保健福祉課」が、労働行政を担当する経済部は「労働政策局雇用労政課」が、そしてなにより、入札を担当するのが「出納局会計管理室審査課」となっています。

 一方で、道や道教委では道内の特別支援学校での就労研修に力を入れ、マッチングも積極的に展開し、就職先の進路拡大に更に取り組むこととしています。

 しかし、先程の4部局がこの問題についてプロジェクトを設置して取り組んでいる話は聞いたことがありません。

 2月から始まる道議会の定例会では、この問題を質して参りたいと思います。


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