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知見無しの規制委(ブログ3828)

  • 2025年02月07日

 原子力規制委員会が、「原発事故時の屋内退避の運用に関する報告書案」をまとめました。

 何と、この中で、屋内退避の目安を3日間としたことが明らかになりました。

 「ん?、なぜ3日間?」、これは、政府の防災基本計画が食糧や水の確保を最低3日間としていることを踏まえたとのこと。

 原発の運転に対し、最新の知見に適合しているかを科学的に検討して結論を導き出すことを任務としている規制委が、能登半島地震という最新の地震と被害、避難所という現実の知見を全く検討もせず、過去に作られた政府の防災計画を基に3日間だからというのでは、あまりにも浅薄な結論では無いでしょうか。

 これまでも規制委は、「原発事故で放射線がどのように広がろうが規制委の範疇では無い、規制委は単に原発が最新の知見に適合しているかだけを調査するだけ。合格したからと行って『安全』であるかは別の問題であり、規制委は関与しない。」と公言しています。

 従って、この規制委に原発事故時や、自然災害と原発事故の複合災害時の避難に関わる内容を検討して貰うこと自体が、愚かだと思います。

 昨年の能登半島地震の時は志賀原発にも被害が及びました。幸い重大な事故にはならず放射能は放出されませんでしたが、道路が寸断され家屋が倒壊し避難所にも行き着かない被災者が多く、食糧や水などの供給も出来ない地域の取り残された方々が多くいたのです。

 政府の防災計画による3日間とは、いざというときに持ち出せる食糧と水はせいぜい3日分くらいである事をイメージした内容であり、規制委は検討したと言っていますが、単純にこの防災計画との整合性を重視しただけで、科学的な根拠は全く無いと言わざるを得ません。まさに原発政策の貧困が、避難計画にも表れたと言うことでしょうか。


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