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福祉避難所

  • 2016年04月29日

 今の政府にとって、何を一番に行わなければならないのかははっきりしています。

 「熊本大地震」による復旧が第1であり、そこに最大のエネルギーを費やすべきで有ることは、一致した認識であると思います。

 何よりも行方不明者の捜索、そして、傷病者への対応、被災弱者の方々への対処、避難所での環境改善、インフラの整備、衛生管理など、政府がそして行政がやらなければならないことは山積しています。

 先の4月16日のブログで、「これまでの激甚災害での教訓は生かされるのか」と問いかけましたが、期待したほど教訓は生かされていない事も除々に明らかになりました。

 震災では多くの被災者の皆さんが大変な環境の中で、生きるために必至の取り組みをされていますが、一方、災害弱者の方々の対応は、何も解決していないように思われます。

 今回の熊本地震においても、心身障害をお持ちの方、ご高齢で介護が必要な方のための「福祉避難所」は機能しているのか。

 熊本県を例にとりますと、4月27日現在で熊本市が指定している福祉避難所は176カ所有りますが、そのうち開設しているのは37カ所、全体の約2割に留まり、受け入れ想定数1,700名の内188人、約1割しか受け入れが出来ていません。

 益城町は町が指定した5カ所全てで開設できず、阿蘇市も17施設の受け入れはゼロ。

 熊本市は民間の介護施設を福祉避難所として協定を結んでいますが、受け入れの判断は施設側に委ねられており、施設側は、①震災前から定員に達している。②施設職員も被災しており、勤務が出来ず人出不足である。③施設が損壊しており安全面に問題がある などの理由で受け入れが出来ないとのことです。

 震災弱者の中には、ご高齢の要介護者の他にも知的障害や視覚・聴覚障害の方もおり、一般の避難所では迷惑をかけるからと損壊している自宅に留まったり、車中泊をされている方も多くいますが、援護の手は差し伸べられていない現状とのことです。

 翻って、北海道も東日本大震災の後、「福祉避難所」の重要性が議会でも議論となり、行政と福祉関係者が、激甚災害時の災害弱者対策は喫緊の課題として協議されていましたが、3・11から5年が経過して、その後どのようになっているのか、私たちも注意が薄かったように思えます。

 熊本地震を振り返り、改めて自分の住む自治体の「福祉避難所」の指定状況と災害時の対応マニュアルを徹底的に検証する必要性が求められると同時に、施設機能やマンパワー確保についても精査する必要があると思います。


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