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種子の偽装

  • 2018年05月06日

 雪印種苗の偽装が拡大の様相を呈しています。

 牧草などの品種を偽り、複数の種子を混ぜたり、まったく別の品種の表示に書き換えるだけではなく、種子を入れている原袋まで替えてしまうという悪質さ。

 元種苗課長は「勤務した73年には既に行われていた」と話し、別の元種苗課長も「昔からあったと思う」と、偽装は最低でも45年以上前から普通のことのように行われていたことを証言しました。

 牧草の種子は、品種によって刈り取る時期や適応する気候が異なるだけではなく、乳牛や肉牛の生育や栄養にも影響しますから、酪農家や畜産家はそれぞれの牛に最適な牧草となる種子を選ぶ事になりますが、その前提が雪印種苗によって崩されてきたのです。

 結果、その牧草を食べる乳牛や肉牛から生産される生乳や牛肉が、酪農家や畜産家の意図していた成分のものとならなかった事が想定されますし、消費者もそのあおりを受けていたことになります。

 折しも、この4月から種子法が廃止され、基幹農作物である米や麦の種子の提供が公的機関から民間企業に移行されることになります。

 穀物の次は野菜などの種子への拡大が行われるでしょう。

 主要作物が民間に開放されることの危惧が、今回の雪印種苗事件にも表れています。


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