窮余の策?
- 2015年10月17日
翁長知事が行った「辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消し」について、沖縄防衛局が国交相に対し、行政不服審査法に基づく審査請求と効力停止の申し立てを行いましたが、多くの知識人は「この法律は、国の行った行政処分に対し国民に不服がある場合、国民の利益を守るために不服審査請求を行う事が出来る事を目的とした法律であり、国の行政機関が、同じく国の行政機関に不服申し立てを行うための法律では無い。」と批判しています。
もちろん、国民の誰が見てもおかしな行為でありますが、防衛省は「私人として審査請求の資格はある」と主張し、国交大臣は「不服申し立ての資格があるかどうかの点も含めて審査する。」との回答をしたようです。
「無理が通れば道理が引っ込む」とは、「道理(正しい道筋)にかなわない無理(不正)が平気で通れば、道理にかなった正義は行われない。」という意味ですが、この頃の政府は、まさにこのことを地で行い、文句があるかと言わんばかりです。
もし、この「行政不服審査法」において、国の行政機関が国の行政機関に対し不服審査をを申し入れ、それが受理されるならば、こんなおかしいことはありませんし、身内同士の茶番がまかり通る事になる一方、行政は前例を重んじますから、今後はあらゆる場面で同様な事が起きうることが想定されます。
行政(防衛省沖縄防衛局)が私人(国民)という事になれば、地方自治体も私人という扱いが出来ることになりますし、そうなると、地方自治法にも大きな影響を与えます。
防衛省の行った行為は、窮地に追い込まれた苦肉の策とはいえ、大人が、いえ、国家の行政機関がとるべき道では無いと思います。