立憲民主党の安保を(ブログ3614)
- 2024年06月24日
立憲民主党の泉代表が、この通常国会で成立した安全保障に関する重要法案や条約案に与党とともに賛成したことについて、「外交や防衛政策は継続性を大事にする。立憲の政権をイメージした時に外交が混乱することはないと思ってもらいたい。」と記者団に話したことが東京新聞に掲載されていました。
次期衆議院選挙に向けて、政権担当能力をアピールする意味で話したものと思います。
今回の国会は、「政治と金」に終始しましたが、その影で岸田氏はしっかり、重要な案件を勝手に閣議決定したり、束ね法案で採決したり、勝手気ままに振る舞い、その結果、62本提出した法案は61本が可決成立、その率はなんと98.4%、可決しなかったのは、洋上風力発電を排他的経済水域(EEZ)に拡大する「再生可能エネルギー海域利用法改正案」が継続審査となっただけです。
そのような国会にあって、立憲民主党は日・英・伊三カ国が共同開発する次期戦闘機の輸出に関する「政府間機関(GIGO:ジャイゴ)」設置条約に賛成し、紛争の助長につながる恐れのある戦闘機の共同開発にも賛意を示しました。
さらに、米軍との「統合作戦司令部」を柱とした「防衛省省設置法改正案」も、自衛隊と米軍の指揮命令系統の1本化は必要とし、日本の指揮権の独立性が損なわれる可能性も危惧しながら賛成。
「経済安保情報保護法案」では、政府による経済安保に関する仕事に従事する国民に対する身辺調査を、人権侵害への懸念を示しながら賛成しました。
この様な判断は、一にも二にも国民に対して政権担当能力に不安を生じさせないためのものと受け止めますが、テレビドラマの言葉ではありませんが「お言葉を返すようですが」と言いたくなります。
立憲民主党が立党した時の基本は何だったのでしょうか。
「立憲民主主義」を基軸にした政治を進めることでは無かったのでは?
今更ながら、「立憲民主主義」とは、政治権力が憲法によって実質的に制限され、憲法に基づいて統治が行われるべきという政治理念です。そして、立憲民主党に集っている国会議員達は、その崇高な理念を実践する為に政治活動や国会活動をしているのだと、私は確信しています。
泉代表の言葉は、立憲民主党の代表として果たしてふさわしいのか。
単に、自公政権の法案を安直に飲み込むことで国民が信頼すると思ったら大きな間違いです。
政権を担うためには、外交・防衛に対する立憲民主党の目指す姿を明らかにしなければなりません。日米安保も大事でしょうが日本は米国から真に独立した国なのか?
日本国中、日米地位協定に縛られて米国(米軍)の要求に逆らえず、旧型の武器さえ数十兆円の言い値で買わされ、オスプレイは飛び放題、首都の制空権も持てず、沖縄の辺野古も先島諸島も米軍の防波堤と化し、専守防衛を投げ捨て憲法違反の集団的自衛権までも自ら受け入れました。
そして米国の目の色を伺わなければ、独自に中国や北朝鮮との外交も出来ません。
立憲民主党の行うべき安全保障とは、まさしく憲法に書かれていることを実践することです。
さらに加えて、原発やエネルギー政策、食の安全保障など、独自の政策を国民に提示し、不安の無い形でこの国の姿を国民に戻すことでは無いでしょうか。
自公の政策を鵜呑みにしているだけでは、保守第2党のレッテルを貼られてしまいます。
それで失速したのが「維新の会」です。
岸田氏は秋までもちません。今こそ、立憲民主党の総力を挙げて政権交代可能な政策をブラッシュアップしてほしいものだと切に願います。