米中外交会談
- 2021年03月20日
米中の外交トップの会談が米国アラスカ州アンカレッジで行われましたが、会談当初の外交辞令から波乱の幕開けとなり、世界中に不安を与える結果となったような気がします。
バイデン大統領が就任した米国は、前トランプ氏のアメリカンファーストから脱却し、世界との調和を打ち出してこれまでのように経済最優先の付き合いだけで良いとするトランプ氏の外交を否定し、世界の安定に寄与する外交にスタンスを変えました。
そして、米国が唯一覇権を争う国として意識している中国は、近年の国力を背景に軍備を増強し、さらにその経済力でアジア諸国やアフリカなどに深く食い込んでいますし、米国を共通のライバル(エネミーか?)としてロシアや北朝鮮ともクリティカル・イシューで連携をしています。
今回の会談で非難の応酬をおこなったのは、人権問題を中心とするお互いに引けない問題でした。
とりわけ、国策として新疆ウイグル自治区や香港、台湾の民主化と自立に神経をとがらす中国と、トランプ時代の負の遺産である人種差別や白人至上主義を内包している米国は、その解決手法が異なり、それは国の有り様に直結する問題であることからお互いに引けない問題となっています。
一党支配の下に情報を統制し、有無を言わさず国力を増強してきた中国、民主主義を基本に2大政党がほぼ交互に政権を担ってきた多民族国家で自由を標榜する米国。
それぞれの国民は今の国の有り様を支持するだけでは無く、歴史的に国家を作り上げてきた自負と精神文化も相まって、お互い理解に至るのはかなり難しい事だと思います。
しかし、時間をかけながらも出来ることから共通認識に立ち、問題解決に汗を流してほしいものと多くの人は願っています。
当然、その基本にあるのは自国だけの利益では無く、国境を越えた利益と『世界の平和』である事はその論を待たないのではないでしょうか。