米国からの重い荷物
- 2021年04月16日
菅氏がバイデン米国大統領との会談のために渡米しました。
国内では、コロナ禍が深刻な状況となっているこの時期に、国民よりも大事な米国へご挨拶に行きました。ジャーナリストの間では「参勤交代」とも揶揄されていますが、歴代総理がそうであったように宗主国の大統領に良き忠犬のごとく尻尾を振りに行ったのです。
手土産には何を持ったのでしょうか。まさか手ぶらではご主人に失礼となります。
ご存じのように、米国の一番の憂慮は中国です。
新疆ウイグル自治区や香港への介入の後に控えるのは、台湾問題だというのは誰もが危惧していることで、この台湾問題で米中関係が決定的な場面を迎える事になれば、日本は同盟国の米国に組みせざるを得ないという立場に置かれます。
今回の訪米は、バイデン政権の具体的な対中国政策に対するアジア最大の同盟国として、日本が米軍基地と自衛隊という一大軍事拠点である事を確認させられる会談であり、重いお土産を背負わされて帰国することになるだろうと想像されます。
長崎県の佐世保港の準母港化、馬毛島の自衛隊基地化による共同使用、第１列島線の確保による中国封じ、それには沖縄と台湾が重要な位置を占めるでしょう。
見返りは、「尖閣諸島が日米安保条約第５条に該当する」という米国の考えを、総理として確認するというものでしょうか。
これも何回も書きましたが、米国は、施政権は認めても領有権には関与しないという基本姿勢は変わらず、言質を取ろうが文書に書こうが、尖閣諸島に中国と日本の間に何かが生じても、米国は関与しないという立場は変わりません。
日本にとって何も利が無いまま、米国の同盟国としての義務という思い荷物だけを背負わされる訪米になると思います。
