米国依存からの脱却(ブログ3851)
- 2025年03月02日
果たして日本は、米国との関係をこれまで同様に「重要な同盟国」という位置づけのまま続けていって良いものなのでしょうか。
米国は、これまで西側諸国最大の大国として国際関係を大きくリードし、様々な国際協調に力を入れてきたことは事実ですし、その最大の同盟国としての日本は、これまでも米国の方針に追随してきました。
一方、米国のトランプ氏は「米国第一」を掲げ、メーク・アメリカ・グレート・アゲインをスローガンに、過去の偉大だったアメリカを標榜しています。
何時の時代のアメリカが偉大だったのか、その真意は明らかではありませんが、大国の強大な力を誇示して世界を好きなように変えていくという方向に向かっていることだけは確かです。また、同じく大国のロシアや中国と接近し、彼らの大国の論理も許容する様な言動を発しています。
自ら、グリーンランドの所有やパナマ運河の奪還、カナダを51番目の州に併合したいなどいう野望や、ガザを所有して世界のリゾートの作り替えるとXに映像を載せたり、ホワイトハウスのXに王冠をかぶった写真を使用するなど既に独裁者そのもの気取っています。さらにウクライナの停戦を、過去の第二次世界大戦のヤルタ会談のごとく当事国抜きで大国による割譲を目論み、世界を法の秩序でまとめること無く「多極分化」を容認しています。また、同盟国としての安全保障の方向性を議論する国際会議がミュンヘンで開かれましたが、米国のバンス副大統領は欧州各国を批判し、NATO同盟にヒビを入れてしまいました。
さて、日本は、このような米国との同盟を今後も見直す事無く継続していくつもりなのでしょうか。日本の外交にとって、大きな判断の時期が迫っているような気がします。
日本はこれまで、憲法を基軸とした自由と民主主義、基本的人権の尊重、法の秩序による法治国家、市場経済主義を貫いてきました。
この普遍的な価値と米国の動きは相容れない方向になってきているのでは無いかと思います。このままトランプ氏にひきづられて行けば行くほど、世界からは同類と評価されてしまいますし、何より多くの日本国民が今後の世界秩序に不安を抱いているのでは無いかと思います。
そうであれば、日本の今後の外交は今までのように米国中心型から新たに再構築する必要があるのではないでしょうか。少なくとも、日本の外交が米国に物を言い始め変化の兆しを見せること、中国を含めたASEANなどのアジア外交に重心を移すこと、欧州との連携を密にすること、新興経済国との交流を強めることなど、日本が独自の平和外交を始める大きなチャンスだと思います。
米国の核の傘の中にいることで身動きが出来ないと思いこんでいるのは、日本政府だけなのかも知れません。