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米軍が自前で配備

  • 2020年07月24日

 国内配備予定だった地上イージスアショアが、迎撃発射したミサイルの推進ブースターの落下を誘導出来ず、住民に住民に危害を与えかねないことと、その技術を確立するまでに相当の時間を要すること、さらにそのための費用が多額となるため、防衛相が国内配備を断念したことはご存じの通りです。

 また、配備予定の秋田県と山口県は、ハワイとグアムへの通過点であり、当初から米国のための配備と不評を買っていましたが、これが白紙に戻ることによって自民党の防衛族から海上イージス艦の増強や敵基地攻撃能力の強化などが打ち出されています。

 さて、過日の報道に米軍がグアムに地上型イージスの配備をしたいという考えを示したことが掲載されました。

 米軍インド太平洋軍のデービットソン司令官が複数のメディアに「イージスアショアの技術は既にできあがっており、2026年までに配備が可能だ」と説明したようです。

 ここで、二つの疑問が生じます。

 一つは、米国領のハワイとグアムを防衛するため、日本国内にイージスアショアを配備しなければならないと言うことは安保上の絶対的なものでは無く、米国が自前で配備しようと思えば日本に頼らなくても問題ないということです。

 日本政府は、このことを米国と交渉せずに秋田県・山口県の県民に犠牲を強いてきたということになり、このことは国民にきっちりと説明をしなければなりません。

 二つ目は、米軍が地上イージスアショアは技術的に完成していると判断しているということです。

 この中には当然ブースターの誘導も含まれていることになりますが、なぜ、米国と日本では見解が違うのでしょうか。

 既に、地上イージスアショアはポーランドとルーマニアに配備されているという実績がありますが、この配備済みのイージスアショアはレイセオン社の「SPYー6」で、日本が購入することになっているのがロッキード・マーチン社の「LMSSR」です。

 しかし、「LNSSR」は未だに構想段階のものであり、日本はパンフレットのみで購入を決定してしまいましたから、未完の性能のツケが配備断念に繋がったと思われます。 米国がグアムに導入するのは「SPYー6」で、実用化されているものです。

 米軍にすると、通常、1発で数万人から数十万人の被害を想定しているミサイルを打ち落とす迎撃ミサイルのブースター落下で生じる被害は、米国にすると軽微なもので比較考慮すること自体、日本の防衛にクエスチョンがつくのかもしれません。

 判らないのは日本がなぜ、パンフレット段階のシステムを高額で導入することを決定したのかと言うことです。

 二つの疑問は、国会の場できっちりと説明してほしいものだと思います。


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