経団連が夫婦別姓(ブログ3601)
- 2024年06月11日
経団連が、十倉雅和会長名で、「夫婦別姓制度の早期実現を求める提言」を公表し、これを政府に求めて行くことを決定しました。
結婚後に旧姓を通称として使い続ける日本独特な仕組みは海外で理解されづらく、「ビジネス上のリスクとなり、企業経営の視点から無視できない。」とし、戸倉会長は記者会見で「女性役職員も着実に増加する中、姓の問題は当事者個人の問題として片付けられない。」として政府に一刻も早い制度の改善を求めました。
日本はとうの昔に、「男女平等」を国の進める方向性として、各種の取組を推し進めてきました。
その中には、企業の役職員の「クオータ制(管理職や取締役における女性割合を一定以上となる事を求める制度。4分の一とは意味が違う)」も含まれており、政府は、官民含めて、行政や企業にその事を制度として求めています。
にも関わらず、政権内には「姓」を「家族制度」の根幹として据え、結婚したら夫の姓を名乗るのは当たり前で、旧姓を名乗りたければ「通称」として使用する事は認めるが、戸籍上は夫婦同姓であるべきであることを主張しています。
日本は、憲法で個人を尊重していながら民法で「結婚した場合は双方の合意により夫或いは妻の姓を名乗る」ことが規定されています。
また、これまでの最高裁判決でも、15人の判事のうち11人が夫婦同姓を合憲と判断、4人が違憲と主張しています。
経団連は、世界中と商取引を行っています。つまり世界基準で対応することが当たり前となっていますが、余程、夫婦同姓が世界の常識から外れていることを痛感しているのだと思います。
今回、やっと政府に対して夫婦別姓の提言を行ったことは、その現れと思われます。
今、東京や札幌でも6組の夫婦が、「別姓のまま婚姻できる地位の確認」などを求めて裁判を起こしています。
野党は、これまで、「選択的夫婦別姓」を求めてきました。同性とするか別姓とするかは、まさしく二人が決めれば良いことですし、国民のほとんどがその事を理解しています。
まさしく、その選択権は夫婦にこそ存在するべきです。
この度の経団連の提言は、自民党のスポンサーを自他共に認める団体の発言として非常に重いものだと思います。さて、自民党は、この提言にどのように応えるのでしょうか。