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経済団体カジノ誘致表明

  • 2019年10月22日

 北海道の経済4団体((北海道商工会議所連合会、北海道経済同友会、北海道経済連合会、北海道観光振興機構)が「北海道でのIR(統合型リゾート)の実現に関する緊急共同宣言」を発表したことが報道されました。

 その中で、「IRは極めて高い経済波及効果を有し、北海道が世界を相手に稼ぐ上で起爆剤となる」として鈴木知事に早期に誘致の判断をするように求めました。

 新聞報道によると、発表記者会見では、

・道経連:真弓会長「IR=カジノというイメージが先行している。」

・道経済同友会:石井代表幹事「世界最高水準のカジノ規制で懸念は払拭できる。」

・道商連:岩田会頭:「目指しているのはカジノに人を呼ぶことではなく、MICE(マ

           イス=国際会議や世界規模の学会や展示会開催機能)で国内外か

           らビジネス層や富裕層を呼び込むためだ。」

・道観光振興機構:堰八会長:「北海道らしいIRを実現できれば、税収の一部を観光振

           興に活用できる。北海道観光の課題解決に大きなプラス

           になる。」

 と話していたようですが、果たしてそうでしょうか。

 道経連の主張する「IR=カジノというイメージが先行している」とのことですが、国が当初からその導入に意欲的なのはまさしくカジノであり、そのために賭博を禁止している「刑法185条にある賭博罪」に適合しないよう新たに「IR推進法」を制定し、その中でカジノを解禁することを定めました。

 そして、反対の声が起こると「ギャンブル依存症対策」を推進法のメインに据え、問題ないように繕いましたが、これこそが、カジノがメインであることを物語っています。

 経済同友会の主張する「世界最高水準のカジノ規制」ですが、入場料を6,000円にすれば規制になるのでしょうか。入場を週3回、4週間で10回に限定するということですが、24時間で1回入場とカウントするということは、仮に月曜日の午後6時から始めると火曜日の午後6時までで1回であり、休息して水曜日の午後6時から再び始めて木曜日の午後6時までで2回、同じく休息して金曜日の午後6時から始めて土曜日の午後6時までで3回ということですから、1週間に月曜日から土曜日までカジノ三昧で過ごせます。そして日曜日は競馬でもやりますか。

 これを3週間続けて9回、4週目の1回はお好きな二日間を選択できることになります。

 カジノの場内にATMを置かないとのことですが、カジノに預託金を預ければカジノがお金を貸してくれます。

 預託金の何倍まで貸してくれるか未だ決まっておりませんが(これも政令で決められる)、10倍や15倍は想定内と言われており、仮に500万円を預託すると15倍では7,500万円まで貸してくれることになり、規定の期日までに返済すると利息は付きませんが、それを過ぎると当然15%以上の利息がついて回るはずです(これも政令で決められる)。

 入場にはマイナンバーカードで身分証明をしますが、このマイナンバーカードで、個人情報が漏洩することも懸念されますし、当然カジノ業者は税金納入などから個人の資産などを調べるのは朝飯前でしょう。

 これが安心できる世界最高水準の規制なのでしょうか。

 道商連は「カジノではなくMICEだ」とのことですが、国が示したMICEの会議場は6,000人以上、展示場収容規模は12万平米以上、ホテルは客室総面積10万平米以上、その他にもシアター、ショッピングモール、レストラン、テーマパークなどのエンターテイメント等々、北海道の苫小牧にこのような施設を誘致して年間の維持が可能なんでしょうか。

 そして、MICEは、カジノの収益を投じて運営されることになっており、IRの収益の8割をカジノに求めるものとなっています。

 「カジノではなくMICEだ」というのであれば、カジノ抜きという主張をしてほしいものだと思います。

 道観光振興機構は「IR収益で税収が入り、この税収を観光振興に利用できる」ということですが、それでは、法定外目的税である宿泊税はどのように活用するのでしょうか、IRの収益があれば宿泊税による税収は微々たるものになるかもしれません。

 必要がなければ、経済4団体で主張していただけないでしょうか。

 経済団体は、利潤追求だけがその目的ではないと信じます。

 そうであれば、利用者の6割近くが道民というカジノではなく、健全な産業としての観光を提言してほしいものだと思います。


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