経済音痴の首相
- 2016年05月31日
今回のサミットほど中身の無いサミットは、過去に無かったのではないかと思います。
日本を除くG7の各国首脳は、日本の安倍晋三のパフォーマンスに付き合わされただけで、それぞれの国は、伊勢志摩サミットで得るものは何も無かったのではないでしょうか。
何のために先進7カ国のトップとEU首脳が集まったのか、経済政策も「各国の事情を考慮して対応する」のであれば、忙しい方々がわざわざ集まって決めるまでの事でもありません。
テロ対策や難民問題、北朝鮮対策などは言わずもがなのことですし、わざわざ集まって伊勢神宮を参拝して、伊勢エビやアワビの晩餐会を行うだけだったら、今後のサミットのあり方自体を考え直す時期に来たのかも知れません。
このままでは、ロシアと中国を仲間はずれにした西側諸国だけの「仲良しクラブの例会」と化してしまいます。
更に悪いことに、今回のサミットは安倍晋三の消費税先送りとオバマ大統領の広島訪問という、単に安倍晋三の国内評価に付き合わされただけではなく、経済音痴の安倍晋三が分析する「リーマンショックに酷似している」という絵空事にも付き合わされてしまいました。
世界の経済状況は、日本政府が5月の「月例経済報告」で「世界経済の見通しは緩やかな回復が期待される」と自ら評価しているにも関わらず「リーマンショックに近い」などという戯言をほざいている日本の首相に、ドイツ、フランス、イギリスの首相は異を唱え、他の首脳は開いた口が塞がらないという、恥ずかしい場面に付き合ってしまったのです。
IMFが4月に発表した2016年の経済見通しを見れば、世界全体で3.2%成長、アメリカは2.4%、イギリスは1.9%、ドイツは1.5%と数字は低いけれども確実に成長していますが、日本は0.5%と一番低い成長率となっています。
原油価格も一時の1バレル30ドルから50ドルまで上昇、アメリカは6月にも金利を上げる準備をしており、実質的にも最悪期を脱したと判断しています。
安倍晋三の発言にさすがに呆れたのか、ドイツのメルケル首相は「世界経済はそこそこ安定した成長を維持している」と釘をさした発言をしています。
それでも安倍晋三は「対応を誤れば世界経済は危機に陥る。今こそ先進7カ国が責任を果たさなければならない」と強調し、増税延期の理由にしています。
まさしく自分の事しか考えず、各国首脳に呆れられながらも現実乖離した理由で、過去に自ら消費税を延期した総選挙の理屈を「屁理屈」でごまかそうとしています。
アベノミクスの失敗を認めず、みんなから責任を追及されるのを嫌がる「我が儘ボンボン総理」、そして、それを庇う自民党・公明党。
7月の選挙は、そんな「我が儘ボンボン総理」に世の中のことをきっちり教えてあげる選挙にしなければなりません。