統一よりも連携
- 2018年01月18日
民進党と希望の党が、通常国会に向けて「統一会派結成」に動きましたが、それぞれの党内に多くの異論が出てこの統一会派という縁談は破談となってしまいました。
当初からこの統一会派には大義がなかなか見つからないと感じていましたが、やっぱりという感想です。
通常国会で安倍一強に対峙するという大きな目標を立て、統一会派への政策合意を模索、お互いの;喉に突き刺さっている「安保法制」に対する見解を玉虫色で取りまとめましたが、まずは民進党の両院議員総会では昨年の「排除の論理」がしこりとなり、希望との統一に拒否感を示す議員が続出、断念をせざるを得なくなりました。
当然だと思います。
当時の民進党が今の姿になったのは、民進党に「後ろ足で砂を掛け」小池・希望の党に鞍替えをした長島、細野、その影響を受けて民進党解散して希望の党への合流を決めた前原の行動であり、民進党にしてみれば「万死に値する戦犯」と、その後の「排除の論理」で三党に分割せざるを得なくなった主原因である党と統一会派を組むなど、排除された側にすれば、決して飲み込むことの出来ない事のはずです。
一方、希望の党にしてみれば、党の発足に関わる根幹である「安保法制賛成」と「憲法改正」の「踏み絵」を踏まなかった民進党と統一会派を組むと、党の方針を進めることにブレーキになるとの思いが強いチャーターメンバー(長島、細野、松沢等)との軋轢が強まるとの思いがあったことから、破談はお互いに一安心ということなのでしょう。
しかし、希望の党の玉木代表が、これらチャーターメンバーを分党するとまで腹をくくったのなら、初めからこれらのチャーターメンバーを外したいと思っていたからなのかもしれません。
希望の党からチャーターメンバーがいなくなれば、希望の党は後から加わった民進党だけとなり、民進党との統一会派実現はスムーズに行われるはずですし、その後に立憲民主党との統一会派も視野に入ってくるでしょう。
しかし、そうなれば、昨年のゴタゴタはいったい何だったのか。
全く分かれる必要がなかったのではないかと、「分かれてはくっつく」いい加減にしろと国民は思い、またまた信頼を失うことになるでしょう。
野党が一体となって安倍晋三に対峙することは重要ですが、それにはまず統一会派という形にこだわらず、野党連携という実績を積み重ねることから始める方が賢明だと思います。
通常国会で野党同士が連携協議を強めて安倍晋三を追求する、そのことで国民の信頼を取り戻し、来年の統一自治体選挙や参議院選挙での連携につなげる、そこに展望が開けてくると思います。