続くヤジ排除
- 2019年08月30日
警察による演説でのヤジ排除が全国各地で行われるようになってきました。
これを危惧する今日の東京新聞社説を抜粋して掲載します。
<・・・・・埼玉県知事選挙の投票日前日、24日の夜の出来事である。JR大宮駅近くで自民・公明両党推薦候補の応援演説をしていた柴山昌彦文科相に対し、「柴山辞めろ」とか大学入学共通テストの「民間試験撤廃」などとやじを飛ばした男性が、埼玉県警の警察官数人に囲まれ、遠ざけられた。
柴山氏は27日、閣議後会見で「表現の自由は最大限保障されなければならないが、集まった人たちは候補者や応援弁士の発言を聞きたいと思って来ている。大声を出したりすることは、権利として保障されているとは言えないのではないか」と県警の行為を擁護したが、「表現の自由」を曲げて解釈しているのではないか。
・・・・・埼玉の事例は、ヤジで演説が続行できなくなるような悪質な行為に当たるとはとても思えない。もし選挙妨害に当たらない段階で、公権力がヤジを強制排除したのなら、明らかに行きすぎだ。
柴山氏が政治家として語るべきは、警察の介入を正当化することではなく、警察の公権力行使が表現の自由を侵しかねないことへの懸念ではなかったのか。
・・・・・政権に異を唱える発言が、トラブル防止を名目に警察に排除される。公権力を行使する立場にある政治家は、表現の自由を尊重すると言うものの、実際に犯されても放置する。こんなことが安倍「長期」政権で続く。
園は池にに、批判や異論に耳を傾けようとしない不寛容な政権の体質があるとしたら、構造的な問題であり、根が深い。>と書かれています。
柴山文科相は、芸術・文学・言論などの「表現の自由」を守るべき文科行政のトップであるはずです。
そのトップにあって、この発言と考え方であるならば、文科相失格に値するものだと思います。
このままで行くと、安倍政権は「演説中においてのヤジやプラカードなどによる抗議は、演説を妨げる行為として排除の対象とする。」と閣議決定してしまうのではないかと思ってしまいます。