総理の演説と警察の行動
- 2019年07月18日
札幌駅前で行われた参議院議員選挙の応援演説、ここに安倍晋三氏が現れマイクを握って演説が始まりました。
この演説の最中に、「増税反対」と叫んだだけで大勢の警察官に囲まれ現場から無理やり引き離され、演説場所に近づけないように2時間も威嚇され続けた市民。
「安倍辞めろ、帰れ」とヤジを飛ばしただけで大勢の警察官に腕や肩をつかまれ後方に連れ去られた市民。
また、「年金100年安心プランはどうなった」と書いたプラカードを掲げただけで、大勢の警察官に取り囲まれ、プラカードを掲げるのを阻止された市民。
テレビでは、異様な光景が映し出されました。
一方、「安倍総理を支持します」というプラカードを持った市民の方々は何のお咎めもなしという露骨な差別。
参議院選挙が始まって、安倍晋三氏は全国各地で候補者の応援演説を行っていますし、各党の党首たちも同じように応援演説で東奔西走していますが、不思議なことに安倍晋三氏のスケジュールだけは秘密のままです。
前回の衆議院選挙で行った秋葉原での「安倍帰れコール」、そして「こんな人たちに負けるわけにはいきません」との発言が、国民を「こんな人たち」と愚弄したと批判されたことがトラウマになっているから参院選挙でも「ステルス作戦」に徹していると評されています。
しかし、1000人以上の動員をかければ、当然、いつ、どこでという情報は漏れてしまいます。
この選挙戦では、東京はもちろんのこと各地で「安倍帰れ」コールが行われたことはネットで随時流されています。
ただ、このことをマスコミが国民に伝えないように音声を消音し、画像を放映しないだけで、ネットを見ている方々の多くは目にしています。
その各地での映像を見る限り、警備の警察官は実力行使をせず排除もしませんでした。
札幌だけが、実力行使での排除を行ったようです。
警察の対応がなぜ全国一律のではないのか、なぜ、警察は表現の自由を妨げたのか、あの映像はそんな疑問を多くの道民、いや全国の視聴者に投げかけました。
憲法14条は<すべて国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的または社会的関係において、差別されない>とされているにも関わらずです。これが憲法を規範とする日本なのでしょうか。
また、17年6月に強行採決によって改正された「組織的犯罪防止法」に加えられた「共謀罪」の拡大解釈による運用、いわゆる未遂への適用の始まりではないかと感じました。
当時、この法律の改正について日弁連では、「市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いことや監視社会を招来するなどの懸念が払しょくできない。本法律が恣意的に運用されることが無いように注視しなければならない」とコメントしました。
今回の警察の行動がそのようなことではないことを、そして、警察が道民からの信頼を失うことにならなけことを願うばかりです。