臨時国会の召集を
- 2021年07月08日
4回目の緊急事態宣言が発せられる事になりました。
対策分科会や厚労省アドバイザリー・ボードの他、あらゆる専門家の方々が指摘していた通りに感染者がリバウンドして、東京都では1日の新規感染者が1,000に達しようとしています。
つまり、菅氏の科学的根拠のない神頼みにも似た希望的観測は、今回も現実の前に屈服せざるを得ませんでした。
これまで、専門家の方々のアドバイスに対し、都合の良い部分だけ引用して後は政治判断としてきましたが、いつの場面も精神的神頼みは科学的エビデンスに敵いませんでした。
さて、過去3回の緊急事態宣言を振り返ると、1回目は安倍氏が20年4月7日~5月25日までの49日間(1回の延長有り)、2回目は菅氏が21年1月8日~3月21日までの73日間(2回の延長有り)、3回目も菅氏が21年4月25日~5月31日までの37日間(1回の延長有り)、となっています。
これまで、3回も緊急事態宣言を発して来た中で何を得てきたのでしょうか。
1回目、安倍氏は「専門家の試算では私たち全員が努力を重ね、人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減することができれば2週間後には感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることが出来る。」と語りましたが、どうだったでしょうか。
2回目、菅氏は色々語っていました「1年近く(コロナ)対策に取り組む中で学んできた経験を基に、徹底した対策を行う。」、「ワクチン接種が切り札だ。」と話しましたが、経験はどのように生かされ、ワクチン接種は思い通りに実行できたのでしょうか。
3回目の時、菅氏は人流が増えるゴールデンウェークに対し「効果的な対策を短期間で集中的に実施する。」、「飲食の対策を強化して、お酒の提供を停止する。さらに人の流れを止めるために店舗や劇場の休業を要請、こうしたあえて強い措置を講じる。」と話しましたが、度重なる緊急事態宣言による自粛・規制の押しつけと、オリンピックへの対応の矛盾に国民から「ブーイング」を出され、自粛要請は徐々に緩み、この間の国政選挙、自治体首長選挙、都議選挙は自民党の3連敗(都議選は議席を増やしましたが、与党で過半数を維持できず、実質的に敗北)です。
今回4回目の宣言発令ですが、多くの国民はしらけたままとなっています。
また、過去3回の宣言発令中は、全て国会が開催されていましたが、4回目の今回は国会が閉会した中での宣言です。
これでは、緊急対応を要する場合も政府の進めるままの対策となり、国会のチェックが及ばないことになります。
また、補正予算の使途についても、国民の声を国会に生かすことも出来なくなってしまいます。
菅氏は、4回目の宣言を発令した場合、速やかに臨時国会を召集し各党の協力を得て、今後の対策などを効果的に推進すべきだと思います。