自粛業者への補償
- 2020年04月09日
昨日は、政府の生活保障に触れましたが、今日は、飲食店や商店などに対する補償について考えてみたいと思います。
緊急事態宣言が出され、国が自粛を求めた業種に対し、指定をされた都府県の知事が口をそろえた言うのは、「自粛要請と補償は一体だ」ということです。
このことは各知事の認識として共通しており、政府に対して7都府県の知事が要望をしたことは当然のことです。
そして政府の答えは「要請に沿うことはできない。」というものです。
その理由が、「休業要請の対象となっていない分野でも収入減少の影響があり、個別の補償はできない。」というものです。
ここでも、金を出したくないというケチケチぶりが表れています。
政府はクラスターを呼び込む3蜜(密閉空間、密集場所、密接場面)を避けることを目的に生活の維持に必要な業種以外は、自粛してほしいことを暗にほのめかせていますが、東京都は、具体的な業種を11日までに明らかにする方針で、同じように政府にも自粛業種を明らかにするよう求めています。
しかし、コロナの感染が広がり始めた2月末あたりから飲食店を中心にライブハウスなども営業時間短縮や休業に追い込まれていますし、先般もプロスポーツなどのイベントについて書かせていただきましたが、政府や行政の一言に影響を受ける様々な業種は息絶え絶えというところです。
テレビでは、緊急事態宣言後の各地の繁華街の様子を映し出していますが、どこも人がほとんどおらず、商店街や繁華街では店を開けていることが罪悪のような同調圧力を感じて休業を余儀なくされています。
しかし、休業に対する政府の補償は、1~3月のいずれの月で売り上げが前年同月比50%以上減少している中小零細企業は最大200万円、個人事業主やフリーランスは最大100万円の給付するとしていますが、これは上限で当然これ以下ということもあります。
さらに、政府は日本政策金融公庫や民間金融機関での「新型コロナウィルス感染症特別貸付」や「経営環境変化対応資金貸付」制度を用意し、利率や貸し付け条件の緩和、信用保証料補助金なども整えましたが、相談に行くとほぼ無条件に融資してくれる訳ではありません。
市内でコロナにかかわる調査をしていると、「政策金融公庫に相談に行っても融資までにはたどり着けず、貸し渋りをしているようだ。」、「口では、商売を守ると言っているが、現場の国の金融機関はまったく守ろうとはしてくれない。」という苦情を多く聞き、その度に対応していますが、多くは解決に至りません。
これも、「やっている感」だけで現実の救いとはなっていません。
日本の9割が中小企業、さらに私たちの日々の暮らしを支えてくれている個人事業主が経営を継続できないとなれば、日本の経済は死に向かっていくだけだろうと思います。
今少し我慢をすれば再開できるよう、自粛要請業種への補償と融資の条件緩和は絶対必要な対策です。