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自衛隊員の自殺(ブログ3293)

  • 2023年07月29日

 自衛官の自殺が急増していることが「23年版防衛白書」で明らかになりました。

 22年度の自衛隊員自殺者数は79人で、前年の58人より11人増え対前年比で1.4倍となってしまいました。

 組織別では陸上自衛隊が43人で一番多く、次いで海上自衛隊の13人、航空自衛隊の12人、事務官は11人となっています。

 このことから、白書では「2007年度以降は、穏やかな減少傾向」という記述を削除。 07年以前は、イラン・イラク戦争や海外紛争への自衛隊の派遣がおこなわれ 掃海活動や海賊船から海上輸送を守る事の他に、陸自では紛争地の宿営地至近への爆撃など緊迫の状態に置かれ、隊員達は緊張感の連続、ストレス過剰、人員不足による過労などから精神的にダメージを受ける隊員が増加し、結果的に05年、06年は自殺者が101人で3桁にも及びました。

 従前から「敬礼」をする職業は、「上司の命令は絶対」という風潮が強く、口答えはタブーでハラスメントは日常茶飯事、男性間のパワハラだけでは無く、女性に対するセクハラも組織の名の下に表面には現れずに内包されてきました。

 しかし、「五ノ井里奈さん」の勇気ある告発で、これまでも行われていただろうと想定されていたセクハラ等の隠蔽が明らかになりました。これまでも被害に遭いながら口に出せずにいた女性隊員が多くいたでしょうし、その中にも自殺者がいたかも知れません。

 防衛省のハラスメント相談も、22年度は18年度比で約3倍の2122件、それに伴う処分者も21年度で173人と19年度比で2倍以上に増加しました。

 この事は何を意味しているのでしょうか。これまで自衛隊内部のハラスメントは数多く存在していましたが、表面化してきたことでそのことがより明らかになり、さらに加害者は確実に増加しているということも見えてきました。

 体育会系の究極にあるような組織と見られ、ハラスメントを裏付けるように中途除隊者も増え、逆に入隊希望者は年々減少している事態は、軍隊という特殊性を考慮しても見直しは必至だと思います。

 信頼される自衛隊のために、制服組や背広組双方が知恵を出して実践すべきではないでしょうか。


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