自衛隊発足70年(ブログ3626)
- 2024年07月06日
陸・海・空自衛隊が発足して7月1日で70年を迎えました。
この間、朝鮮戦争にあたって当時のGHQマッカーサー司令官の命により発足した警察予備隊、国内治安を担う事で組織化されましたが、その後も、戦力不保持と交戦権の否認を掲げた憲法の下、これまで1度も他国と戦闘することが無い専守防衛を基軸とした自衛隊という実力組織となりました。
しかし、10年前から「安全保障を取り巻く環境が大きく変化している。」という故安倍氏の号令の下、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し(閣議決定程度で決める問題では無いが)、その後も防衛力の強化のために防衛費を大幅に増額して、最新の兵器を米国などから購入、米軍だけでは無く、豪州、ニュージーランド、英国、インド、カナダ、韓国等などと合同訓練を拡大し、実質的に集団的実戦協力体制を構築し、米国と供に中国を牽制、とりわけ、台湾有事を煽りに煽り、台湾有事は日本の有事と発言する自民党の長老も出始め、鹿児島県奄美大島諸島から沖縄、そして台湾までの先島諸島に自衛隊基地を整備、米軍との共同運用を行い、米軍との「統合作戦司令部」を創設して、実戦における作戦支持を米軍に委ねる事実上の日米軍の一体化にまで変化をしてきました。海外からみれば、平和憲法の下に有るべき自衛隊は、もはや世界有数の軍隊と見られています。
一方、外形上の変化だけでは無く、自衛隊組織そのものの綱紀も目を覆うようになってきました。
自衛隊内で内包されている、階級を背景とした「パワハラ」、女性隊員に対する集団的な「セクハラ」、これらの被害者には、自殺するか泣き寝入りするか退職するかの三択しか残されていませんでした。隊内に相談・調査体制が作られましたが、表沙汰にしないよう握りつぶす機能を果たしているだけで、体質が何も変わらないことも知られた事実です。
更に、陸自や海自の隊員が集団で「靖国神社」を参詣する事実も明らかになり、戦前を思わせる行動にも歯止めがなくなりましたし、非難されても開き直る始末です。
最近では、川崎重工業が潜水艦乗組員などとの関係者が修理を行う際にコミニュケーションを図る目的での接待・供応を長い間慣習的に行われた事も発覚、さらに、金品などの提供もあったこと事実が判明し、年間十数億円にも上ることも明らかになりました。
併せて、海自の複数の艦艇などで国の安全保障に関わる「特定秘密」の情報を、資格の無い隊員に取り扱わせていたことが発覚し、海上幕僚長が辞任の意向を明らかにしました。
大規模災害などでは、真っ先に現場で住民避難や捜索、炊き出しや風呂など被災者に寄り添った業務に従事し、国民に大きな信頼の「あった?」自衛隊が、70年の間にこれ程変わってしまいました。
無論、現場の自衛官は日々鍛錬を重ね、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって専心職務の完遂に務め、もって国民の負託に応える」べく任務に精励されていると思いますが、置かれている環境は大きく変わり、組織の綱紀も戦前に返りつつあること、そして、その事を国民の多くは望んでいないことを、改めて心に刻むべきでは無いでしょうか。