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良い保育のために

  • 2019年03月25日

 認定子ども園に挨拶に行く機会があり、保育士の皆さんに「保育園・幼稚園から認定子ども園に制度が移行してからしばらく経ちますが、移行する前に見えなかった課題や、秋の消費税増税に関わる無償化への不安など有りませんか。」とお聞きしました。

 その園の園長先生は、「未満児(0歳児)は3人に1人の保育士配置です。もし三つ子が生まれたとして母親1人で保育が出来ますか?」と問われました。

 今の厚労省の保育士配置基準は、0歳児=3人(保育対象児):1人(保育士)、1・2歳児=6人:1人、3歳児=20人:1人、4・5歳児=30人:1人となっていますが、この配置基準になってから既に数十年経過しており、一向に改善がされておりません。

 未満児は、月齢数によっても発達に差異があり、1歳児も同じ事が言えます。

 また、好奇心が一杯で少しもじーっとしていない4歳児30人を一人の保育士が平等に目配せできることは不可能に近いことだと思います。

 自治体によっては、国の配置基準に上乗せ配置をしているところもありますが、自治体財政が厳しい所はそういうわけにはいきません。

 中には、園の努力でパート保育士などを雇用している所もありますが、職員の休暇などの穴埋めで実質的な効果は見られません。

 苦肉の策として、国は朝や夕方の時間帯に無資格の(保育士と同等の知識と経験を有する)方の利用を促していますが、その効果はいかほどのものでしょう。

 保育が終了しても、保育士には子どもの状態の記録等の事務作業や翌日の下準備、行事の対応等の雑務が待っています。

 厚労省では配置基準の見直しを検討していますが、未だにその結論は出ていません。

 さらに保育士の待遇も低いままで、内閣府の調査によると保育士の年収の全国平均は約315万円となっています。

 このままでは卒後の若い保育士が来てくれなくなり、また途中で離職する保育士も多くなってしまいます。

 10月には無償化されますが、多くの保護者は無償化よりも待機を解消して欲しいと声高に訴えていますが、もう一方で、無償化よりも質の高い保育のために保育士の配置基準の見直しや待遇の改善をして欲しいと言うのが現場の声です。

 2017年には、全国の認可保育園2万3000園で、年間に700件を越える意識不明や骨折などの重傷事故が起こっています。

 まさしく、無償化よりも先にやることが有るのではないでしょうか。


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