英語教育について
- 2013年12月09日
一部の報道によりますと、文科省は小学校の英語教育の開始時期を5年後を目途に、現行の5年生から3年生に引き下げ、5年生からは正式な教科にする方針で、これまで読み書きはほとんど指導してきませんでしたが、中学校の学習内容を前倒しし、読み書きも指導するようです。
この間、小学校では英語を親しむことを中心に「英語活動」を行い、その一翼を担っていたALT(外国語指導助手)の存在も大きかったものと思います。
今後、英語が教科となるとすれば、これまでの必修化されてきた「英語活動」の検証は欠かせないものと思いますが、これまでの英語活動は、英語に親しむことを重視し、歌やゲームを中とした取り組みでした。
英語活動によって英語が子供達にどのように浸透し、中学校の英語教科にどのような影響を与えたのかについては、道教委の調査では小学生の7割が「英語を好きになった」「まあまあ好きになった」3割が「あまり好きではない」「好きではない」となっているようです。
さて、今の大学における英語科教育法では英語教育は中学校・高校だけで、小学校で英語を教える教員養成の仕組みがありません。
小学校で英語を教科にする場合、本来ならばこの法律を改正し、教員養成を行わなければならず、中学校の教員を小学校に振り返ればいいというものではありません。
今後、英語の教科化が始まり、全道全ての小学校に適切な英語教諭を配置するとすれば、全道の小学校ですから、1,000校以上に専門の教諭の配置が必要となります。
また、自民党の教育再生会本部が、この4月「大学入試や卒業要件でTOEFLで一定以上の成績が必要」と提言しました。一番強く発言されたのは楽天の三木谷氏です。
その後、「TOEFLなどの外部試験の活用」と言う表現となりトーンダウンしましたが、ご存じのとおりTOEFLは、英語圏の大学への研究や留学に必要な英語テストで、このテストで成績を上げるには1万以上の語彙数が必要と言われてます。
しかし、今度の指導要領で中学・高校で習う語彙数は3,000に復活しましたが、この程度では不十分であり、矛盾を感じます
日本でも、日常会話や会議を英語で行う社内公用語企業が出て参りましたが、誤解も多く、全ての社内公用語は英語と思われていたユニクロでも、外国人が一人でも参加する会議が英語であり通常は日本語、日産も同様、積極的に英語を取り入れているシャープやパナソニックでも社内公用語が誤解されて伝わっているとアンケートに答えています。
経団連が加盟企業に行った「企業が採用選考にあたって特に重視した点」は1位が82.6%のコミュニケーション能力、2位が60.3%の主体性、英語などの語学力は17位の6.9%でした。
グローバル企業の就職には、語学力は有れば良い程度ということが判りました。
子供達は全てビジネスマンになるわけではなく、多様な職業に就くことになります。
日本の日常生活ではほとんど英語は必要有りません。
言語はその国の主体性の根源であることはその論を待ちません。
日本は独立した国家であり、英語圏の従属国ではありません。(「最近は米国の従属国ですが)
英語よりも、日本語の大切さ、日本語によるコミュニケーション能力を身につけることが大事だと思います。