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菅義偉氏との面会

  • 2020年10月20日

 16日、日本学術会議の梶田会長が菅義偉氏と面会したことが報道されました。

 菅氏はこれまで、「学術会議が会いたいと言うのであれば会う用意がある」と述べ、あくまでも受け身を演出していました。

 それは暗に6名を拒否した事に関して具体的な説明をするつもりはないが、日本学術会議の会長として面会したいのであれば新会長就任の表敬訪問として会ってやる。という非常に軽い儀礼的な扱いの範疇にしたことで、権力の壁を思い知らせたのだと思います。

 任命拒否を突きつけている日本学術会議の代表との面会時間が15分とは、あまりにも短く、はなから、文句を言いに来るのであれば会うつもりは無いと突きつけています。

 一方の梶田会長は、日本学術会議として6人を任命拒否した理由を明らかにさせることと、改めて任命することを求める要望書を提出しただけで、菅氏に質問をすること無く、逆に菅氏から組織の体質論を持ち出され、梶田会長は組織維持の要望を行っただけでした。

 何と人の良い穏やかな性格の会長なのだろう、そんなことで日本学術会議、いや全ての科学者の信頼と期待に応えられるのでしょうか。

 「要望書を手渡したので、ボールは総理にある」と話されていた会員の方がいましたが、やはり、甘い考えだと指摘しなければなりません。

 要望書を真剣に受け止めて、納得のいく回答があると信じているということに、言葉は適切ではありませんが、自分の学術分野には詳しいが世間のことが分からない、いわゆる「世間ずれしていない」、「世間知らず」を感じます。

 菅氏は「組織の代表に会って話したが、6人の処遇について相手からは何の話も無かった。要望書?それは受け取ったが、それだけのこと。」と意に介していないはずです。

 今回の問題については、日本学術会議という組織の問題だけでは無く、学問の分野に関わる全ての方々の問題であり、だからこそ、学術・司法・人権を含む300近くの団体から反対の声明が発せられているのです。

 学問は、森羅万象全てに関わっています。もちろん私たちの生活や社会活動についても全てが学問の分野に属します。

 物理学、化学、生物学、自然学、医学、社会学、生理学、栄養学、経済学、憲法学、法学、文学、歴史学、農学、水産学、政治学、理学、数学、天文学、気象学・・・・・・、とにかく全ての活動には原理があり、それを基に人類が存在しています。

 学術を否定すると言うことは、人類を否定する、そして自らを否定するようなものです。

 日本においては、その集約的組織が日本学術会議ではないでしょうか。

 その代表が日和って(ひよって)いては、政府のそして菅氏の思うままになってしまいます。

 梶田会長には学問に関わる方々の思いを背に、菅氏ときっちりと対峙して、学問の自由を守って欲しいと思います。


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