蛍光灯の製造禁止(ブログ3809)
- 2025年01月19日
令和5年11月にスイス・ジュネーブで開催された「水銀に関する水俣条約(水俣条約)」において、2027年末までに直管蛍光灯の製造と輸出入禁止、水銀を使用したボタン型電池や化粧品、水銀含有触媒を使用するポリウレタンについても25年末までに製造と輸出入を禁止、水銀で汚染された廃棄物の基準値を15PPMとすることも合意されました。
この水俣条例は、2013年にジュネーブで開かれた「国連環境計画」の政府間交渉で、水俣病を経験した日本が、発展途上国で水俣病などの水銀による健康被害や環境汚染を防ぐために、提案したものです(たまには、日本政府も褒められるようなことをしますね)。
この条約の締結国は2019年までに、128各国が署名し、うち109各国が条例を締結しています。日本が提唱したこの「水俣条例」、当然のことながら日本は率先して行動し、その見本とならなければなりません。
さて、27年末までの製造・輸出入の禁止ですが、国内メーカーでは9月末で製造を終了する予定の所もあり、国内ではこれまで以上にLED照明への転換が加速することになり、その急先鋒が公的機関と言うことになります。
既に昨年の六月には経産省と環境省が連名で、都道府県や政令市に対して蛍光灯の製造・輸出入禁止を周知するように事務連絡が発出されました。
全国の公的機関では既にLED化した所もあるかも知れませんが、予算との兼ね合いもあり年度計画で導入する所が一般的だと思います。しかし、全国で一斉にLED化への転換が行われれば資材不足と価格破壊が起きることが懸念されることから、早めの対策が必要になってきます。ましてや、規模がそれなりの自治体は交換するLEDだけでも数万灯にもおよぶ事になります。その一方で、電気代の節約と耐用年数が延命されるというメリットもある事から、先行投資は、それなりの意味を持つかも知れません。
一方、一般家庭や民間企業を考えれば、LEDの必要数は天文学的な数字となるでしょう。そして、蛍光灯より高額なLEDは設置機材も変更しなければならず、いままで、二の足を踏んでいた方も多かったのではないかと思います。
ただ救いは、製造と輸出入は禁止ですが、今使用している蛍光灯はそのまま使用しても今の所は問題ありません。しかし、今使用している蛍光灯がいつ「切れて」しまうのかは神のみぞ知るということです。交換を検討されている方は、それなりに急いだ方が良さそうです。