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被選挙権年齢の引き下げ

  • 2017年01月07日

 昨年の参議院選挙から、選挙権が18歳に引き下げになりました。

 選挙権の次は被選挙権と言うことで、自民党が地方自治体議員選挙の被選挙権、いわゆる立候補出来る年齢を引き下げる検討を行っているようです。

 その理由として、地方議員のなり手が不足していることを解消することが狙いとのこと。 次期の2019年に実施される地方自治体選挙を目標に、引き下げ幅や実施時期について結論を出したいとのことですから、かなり真剣に考えているということでしょう。

 各国の被選挙権は、日本25歳、アメリカ=25歳、ギリシャ=25歳、韓国=25歳、イタリア=25歳、フランス=23歳、イギリス=21歳、ロシア=21歳、中国=18歳、ドイツ=18歳、オーストラリア=18歳、スペイン=18歳、などとなっています。

 それぞれの政治事情や文化の違いで一概には言えませんし、傾向も判りませんが、いずれにしても政治に参加する、それも直接の参加で、自らが住む自治体の予算や政策、制度に意見を反映することや、その議決に対する責任と選挙民への説明義務が求められることに気概を感じ、積極的に関わる事は大事なことであり、既製の考え方に新鮮な考え方を吹き込んでくれる事に期待をしたいと思います。

 なぜ、地方議員のなり手不足が続くのか。

 そこには、政治への思いだけで立候補を決断することを躊躇する、いくつかの現実的な課題が横たわっています。

 まず、立候補するには供託金が必要となります。

 函館市で考えれば、函館市議会議員立候補に必要な供託金は30万円、北海道議会議員の場合は60万円で、得票数が一定未満の場合は没収されます。

 そして次に選挙費用です。

 選挙事務所関係費用および、人件費、通信費、交通費、印刷費、看板などの他に、多くの雑費がかかります。

 ポスターやハガキ、選挙カー・レンタル代、ガソリン代などは公費負担となりますが、活動が活発になればなるほど支出は大きくなります。

 また、当選してからの議員活動は、自分の時間はほとんど持てず、365日間1日も休みは有りません(議員個々の活動によりますが)、特に年末年始は1年で一番忙しい時期となりますから、年間を通して家族との時間も当然犠牲にしなくてはなりません。

 そして、4年ごとに有権者の審判を受けることになり、順調に2期、3期当選するという保障はありません。落選のリスクは常につきまといます。

 年金は議員年金が廃止になり、今は国民年金となっていることから、65歳になってもかなり少ない年金しか受け取ることが出来ません。

 無論、月々の議員報酬はサラリーマンの平均所得より高額ですが、冠婚葬祭、お付き合い、4年後への備えとして選挙費用の蓄えも怠ることはできません。

 このような現実的な課題を知れば知るほど、若い方々は敬遠するのではないでしょうか。

 単に年齢を引き下げただけでは地方議員のなり手不足は解消されないと思います。

 従って、最近では議員の2世や3世、国会議員秘書や親が会社を経営しているなど、落選後のリスクが少ない方が立候補する傾向が多くなっています。

 まずは、志のある若い方が立候補できる環境を整える事を検討しなければ、年齢だけ引き下げても、なり手不足が解消するとは思えません。


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