補正予算
- 2013年02月08日
2月7日に道議会第1回臨時会が開催され、総額約1,500億円という大型の補正予算が提案されました。
これは、安陪政権が景気の底割れを防ぐ経済対策として行う、これまでに無い最大規模の名目15ヶ月予算としての編成に基づく、年度内3ヶ月分の北海道段階の補正予算で、約1,500億円のうち約1,300億円が公共事業費となっています。
東日本大震災以後、国土強靱化が叫ばれ、政権前の自民党・公明党は200兆円から300兆円にのぼる公共事業を求め、政権復帰後の笹子トンネル事故以降、公然と公共事業へのシフトアップをし始めました。
現在、国内の建築物は東京オリンピック前後に建築されたものが多く、道路、橋梁、トンネルなどは当時の建設費だけでも300兆円を超えているとも言われています。
そして、これらの建築物のほとんどが耐用年数を超えており、この補修に年間10兆円をつぎ込んでも30年はかかる計算となるわけですから、新しい公共事業を行うだけの余裕など有ろうはずがないものと思われます。
今回の国の補正予算は、建設国債を乱発し、日本銀行などに買い取らせることで生み出す、いわゆる日本銀行に紙幣の印刷をどんどんやらせ、そのツケは先送りにするということであり、一方、25年度の新年度予算は通常ベースに見せかけるという誤魔化しを行っているに過ぎず、国民には「15ヶ月予算で切れ目のない経済対策」と騙しのテクニックを弄しているに等しいものと思います。
知事は臨時議会本会議で、「日本経済再生に向けた緊急経済対策の実施に伴う国の補正予算などに呼応して、緊急に措置を要する経費について、所用の予算措置を講じようとするもの」と提案説明を行いましたが、緊急に措置するために臨時議会を開催したにも関わらず、事業費のほとんどが翌年度に繰り越すことになる「繰り越し明許」と「債務負担行為」となっており、年度内に事業を執行する緊急な措置とはなっていないのです。
また、公共事業を支えてきた地場の小規模、零細な建設業者は不況の波に淘汰されて業者数が減り、他方、単価の高い復興地域に駆り出されるなど、業者の確保も大変な状況であるとともに、先々の仕事の担保も無い中で雇用や建設機材を増やすわけにもいかないという難しい状況ともなっっています。
さらに、公共事業を実施する国の出先機関や自治体などは、職員削減が続き、新規事業の基本計画策定、地域住民ヒアリング、現地環境アセスの実施、事業費用の見積もり、実施設計、入札、着工、監理などには手が回らないのが実情です。
開発建設部では、新年度予算に計上していた計画を急遽、補正に関わる事業に回して対応しているとのこと。
そして、国の直轄事業であるにも関わらず、関係自治体は事業費の2割ほどを負担しなければなりません。これによって、地方もまた借金が増えるのです。
これらのことを乗り越えて公共事業を実施しても、これまで同様、それによる経済効果は全くの未知数です。