補正予算と今後の財政
- 2020年06月26日
昨日は、道における大型補正予算の概要などについて記載しましたが、この中で今後の道の財政に大きく影響を及ぼす可能性のある事について触れたいと思います。
今回の補正予算はコロナウィルス感染症対策に関わる国の二次補正と臨時交付金2兆円に合わせた枠組みとなっていますが、この予算編成にあたり、知事は自ら提唱している「新北海道スタイル」を大きく意識しています。
そして、この「新しい生活様式」である「新北海道スタイル」を継続的な取り組みとして促進するためにその浸透と定着を図る事を基本に据えました。
その結果、今回の補正予算に「新北海道スタイル」という言葉が出てくる事業項目が多く散見されます。
その事業に、「教育旅行支援事業」が有りますが、これは、「新北海道スタイル」に対応した教育旅行の実施に必要な経費を道が負担するというもので、具体的には修学旅行や研修旅行等を実施する場合、これまでは1クラス1台のバス借り上げでしたが、蜜を防ぐために1クラス2台とし、併せて1部屋の宿泊人数を半分にして2部屋に分け、その追加分の費用を道が負担するというものです。
また、同じく「交通事業者利用促進支援事業費」として、「新北海道スタイル」を実践する交通事業者による乗り放題乗車券等の販売を支援するとして、割引率を1社単独で行う場合30%以内、複数で行う場合50%以内の割引分を道が負担する。
「プレミアム付き商品券発行支援事業費」は、「新北海道スタイル」の普及と消費喚起のために市町村が発行するプレミアム付き商品券に対し、10%の以内のプレミアムを上乗せする。
「商店街域内消費喚起事業費補助金」は、「新北海道スタイル」を実践する商店街の賑わいを創出するため、販売促進活動を支援するとして広告・宣伝・景品等に補助する。
等が盛り込まれています。
さて、「新北海道スタイル」の浸透・定着を図り、今後も継続すると知事は発していますが、それを素直に受け止めるとすれば、今回の補正予算に盛り込まれている「新北海道スタイル」という言葉が冠に着く事業は、今回のコロナ対策における単発の事業では無く、今後も継続的に行うということと理解しますが、知事自身はそのことをしっかりと意識しているのでしょうか。
行政が一度始めた施策は一人歩きし、簡単に廃止することが難しいことは地方自治体の首長経験者である知事は十分に知っているはずですし、知事の周りにいる官僚の皆さんも痛いほど経験があるものと承知しています。
知事には道の財政赤字と、自らの施策の整合性を十分に吟味して欲しいと思います。