補正額を国民から回収するのか
- 2020年06月04日
16日から始まる北海道議会第2回定例本会議は、コロナに関わる国の第2次補正に併せて、道としての第4次補正予算を議会冒頭に先議する予定となっています。
今回の国の補正は約117兆円で、真水は約33兆円と目され、この中に、前回1兆円だった地方創生交付金がさらに2兆円追加され、使途は地方の裁量に任せられます。
前回の1次補正予算の時の交付金1兆円は、北海道分として約160億円配分されましたから、単純に計算すると倍の約320億円がこの度の補正予算の原資となります。
さて、皆さんの記憶に新しい2011年3月11日に東北一帯を襲った東日本大震災は未曾有の被害をもたらし、政府はその復旧・復興のために第3次まで補正予算を組み、さらに2012年度当初予算にも関係予算を盛り込みました。
復旧・復興軽費は総額約18兆円となっていますが、ご存じのように今も完全に復興した訳では無く、原発の後処理も膨大な費用が待ち構えていますので、そのための費用は今もかかり続けています。
東日本大震災後、国は財源確保のために「復興特別法人税」として、事業所得に対する基準法人税額に10%を乗じた金額を2年間徴収しましたし、個人所得に対しても「復興特別所得税」を課し、所得税額の2.1%分を25年間徴収しています。
そうです2012年度から2037年度まで、現在もなお個人所得税の中に組み込まれて徴収されているのです。
今回のコロナの補正は1次補正の真水分が約25兆円、2次補正の真水分が33兆円と併せて58兆円にも上る額となります。
この財源の後始末は一体どのようになるでしょうか。
東日本大震災の例をとると、法人と個人の所得が狙われるのは必定となりそうです。
東日本大震災の時の18兆円と単純に比較すると、コロナは58兆円で約3.1倍となりますから、「仮称:コロナ対策特別法人税、特別所得税」が来年度に関わる税制改正時に議論となることでしょう。
コロナで事業者や国民に金を支給したのだから、その分を国に返すべきだというのがその理由となるのでは無いかと思います。
それだけでは無く、今回の一人に10万円給付した「特別定額給付金」、休業などにより収入が落ち込んだ事業者への支援として法人事業者へ200万円、個人事業者100万円の「持続化給付金」、雇用を継続しながら従業員を休ませた事業所に対する「雇用調整助成金」などの他に、2次補正では、困窮する大学生への「学生支援緊急給付金」や店舗などの「家賃支援」など、コロナで本当に困っている方々へのこれらの支援に対し、所得と見なして、よもや課税などというアコギな考えを持つことは無いだろうと思いますが、国民に無慈悲な方々は、一体何をするか判りません。