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観光政策を聴く会

  • 2015年03月18日

 今日、午後1時より、函館市の花びしホテルで、今回の道議会議員選挙に立候補を予定している8名による、「観光政策を聴く会」が開催されました。

 これは、「一般社団法人:北海道観光を考えるみんなの会」が主催したもので、札幌市、帯広市でも開催されるものです。

 この中で、発言した内容をお知らせします。

 なお、一問につき、3分という時間制限が有ったため、十分なお話が出来なかったことが少々気にはなりました。

 

15年3月18日 13時~ 花びしホテル

北海道議会議員選挙・函館市選挙区 立候補予定者に観光政策を直接聴く会

 

Q1.

 自己紹介と、道南・函館経済における観光の位置づけ及び課題への認識(3分)

 

A1.

 道議会議員3期の高橋亨です。

 道議会の委員会は、総務委員会と食と観光対策特別委員会に所属しています。

 議会では、超党派の観光議連を創設しようと各会派に呼びかけています。

 さて、道南と函館市経済における観光の位置づけですが、言うまでも無く観光は裾野の広い産業で、北海道全体では2013年ベースで来道客約5,310万人、観光消費額が約1.4兆円、生産波及効果が約1.9兆円、雇用が約16.5万人となっています。

 

 函館市は、2013年度で来函観光客が約482万人、観光消費額が1,043億円、経済波及効果が1,554億円、新年度の一般会計予算が1,386億円ですから、一般会計予算よりも多く、観光は函館市にとっても大きな基幹産業ですし、今後もその地位は大きくなっていくはずです。

 

 函館市の観光は、北海道にあって、江戸後期以降から末期にかけて、そして開港から幕末に至る歴史に育まれた物語とそれを裏付ける史跡、函館山に代表される扇形の地勢が作り出した夜景、三方が海に囲まれた恵まれた水産物、海と山が身近にある自然、陸海空の交通の結節点など、他にはない様々な資源に恵まれた観光地で、歴史的建造物、夜景、グルメが函館観光の三大要素となっていますし、札幌の住民にとっても函館は訪れたい観光地の代表となっています。

 そして、北海道で初めての国宝「中空土偶」、道南各地と青森県の遺跡や出土した貴重な資料などを含めた、縄文文化の世界遺産登録にも力を入れなければなりません。

 

 外国人観光客は、歴史的基礎知識が日本人と異なるので、それ以外の食と夜景、自然、温泉などの魅力を売りとすることではないでしょうか。

 一方、観光地の駐車場が不十分、1泊の場合、夜景と夕食の時間が重なり、双方をゆっくり堪能出来ない、地元の市場の衰退、イベントの少なさ、これまで周辺自治体の観光への意識が低かった、従って周辺観光地域との連携不足、新たな魅力の創出などが課題ではないでしょうか。

 

 

Q2.

 道南・函館観光に対する今後の課題の具体的政策は何だと思うか(3分)

 

A2.

 観光客入り込み数の通年平準化、ピーク時の宿泊施設の受け皿確保、二次交通の充実は全体としての課題です。

 ASEANを中心とした海外客にはマルチビザの発給を早く行うこと、開放したい国交省と制限をかけたい法務省、政府の中で矛盾した考えを整理していくことが望まれます。

 そして、市場の調査を活かしたプロモーション、これは、エージェントではなくマチ場に聞くことで求める物が判ってきますからそれに合わせたツアー商品の開発を行うこと。

 

 国内客には、非日常の提供がポイントで、自然と一体になった体験、例えば、アグリ体験の芋掘り、乳牛との触れあい→乳搾りからチーズを作りを体験し、自分だけのチーズを送ってもらう、駒ヶ岳や恵山などの山岳登山、イカ漁や定置網の体験乗船や漁船クルーズ、昆布の収穫から製品化までの体験、三セク列車の運転席体験などの他、ここにしか無い食の提供、サンマやニシン、ホッケの刺身、三平汁、ごっこ汁、鯨汁、ジンギスカン、バル街、地元の人がよく食べるものなど口コミに近いもの。

 また、地元の人が行く店など地域の食への誘い等をどう展開するか。

 夏の野外劇などは、もっとツアー商品に売り込むべきもので、ナイトクルーズ同様、食事との組み合わせの検討や、上海の雑伎団やベトナムの水上人形劇など、郷土芸能や競馬、プロ野球のナイター開催など、食後のエンターテイメントの充実などは海外客にも魅力的な物となることから、視野に入れなければならないと思います。

 

 一番多い道内客への対策は、他県に行かせない、域内循環を重視、道内客は道内を大枠では知っているが、知らないことも多い。

 若い家族が楽しめる遊びの要素も必要、ブームは去るがその後をどうするかが大事→旭山動物園では、アシカの円筒→シロクマ水槽→空飛ぶペンギン→オランウータンの綱渡り→空飛ぶカバ→オオカミの森などがリピーターを呼ぶ。

また、函館の街を知ってもらう街ブラ、映画ロケ地のシーン写真を表示した掲示板をロケ地に設置するなども楽しいと思います。

 

Q3.

 増え続ける外国人のために必要な受け入れ整備について、対応と対策は何か(3分)

 

A3.

 富裕層向けに、1年間の長期滞在が可能な観光ビザが今年度にも実現するようですが、先程もお話ししたマルチビザの発給、3年間幾度も来日出来るものですでに沖縄では、観光特区として発給しているので、北海道にも該当するように求めなければなりません。

 北海道と沖縄は共に観光立国と自他共に認める所ですが、他にも特定免税店DFSギャラリアでブランド品が免税されています。これは全国で沖縄だけであり、北海道との差は歴然としていますから、早く「北海道観光特別措置法」を、整理地させることが必要です。

 また、徐々に進んでいますが、Wi-Fi環境の充実も欠くことが出来ません。

 さらに、税関、出入国管理、検疫などのCIQの態勢強化が急務ですし、空港の国際ターミナルの拡充、団体バスの確保は出迎えの整備とお見送りの整備です。

 

 さらに、滞在型のツアーとして大沼などに「サイクルツーリズム」が可能なサイクリングロードの整備、自然環境を活用した「バードウォッチング」や「ルアーフィッシング」、誰でも楽しめる「パークゴルフ」をプレーしてもらうのも喜ばれると思います。

 一番のセールスポイントは、ASEAN諸国には無く、北海道にあるもの、それは「雪」と「寒さ」であり、冬期間は売りとなり、スキーは勿論、「雪だるま作り」「かまくら」体験は自国では経験出来ない貴重な思い出となります。

 そして、「寒いから魚が旨い」「北海道だから旨い」では伝わらなず、「函館の魚は日本一番旨い」というストレートな伝え方が肝心です。

 

Q4.

 道南・函館観光について、新幹線開業後から札幌延伸を見据えたビジョン、併せて、ま とめとして観光について主張したいこと。

 

A4.

 北陸新幹線が開業しました。

 開業時には発便から大勢のお客様で駅も大変賑わい、北海道や函館などの自治体からも来年の北海道新幹線開業の参考にするために関係者が視察をいたしました。

 その視察を多いに参考にしていただきたいと思います。

 

 北海道新幹線新函館・北斗駅の交流人口を道経連が三菱総研に委託した結果、1日9,500人と想定し、その数字が一人歩きしたせいか、1日に9,500人の道外客が新駅を訪れると思われましたが、これを真に受けると、年間約364万人の観光客が増えることになりますが、これは全くの勘違いです。

 9,500人には本道から本州へ、いわゆる「上り」の客も含めれていることから、本州から本道への、いわゆり「下り」の客は半分の4,750人、道のアンケート調査ではこの4,750人の内、本州から北海道へ帰ってくる客を除いた純粋の来道客は60%の約2,300人、その内、札幌へ向かう客と函館に向かう客があり、46%が函館に向かうという道の分析を用いますと、函館には約1,300人、これまで、9,500人と思われていましたが、実際に分析しますと1日約1,300人が新たに函館を訪れ来道客ということとになります。

 このことを現実と受け止めなければなりません。

 しかし、この数字であっても年間にすると約48万人の増加ということになり、北陸新幹線の約40万人より多いことになりますから、さらに、多い来道客への努力をしなければなりません。

 

 課題は先程申し上げましたから繰り返しませんが、この開業に併せた全国のJR6社が集中してキャンペーンを行う、ディスティネーションキャンペーンをJR北海道と北海道が、JR事故を受けて手を挙げなかったことが残念です。

 このため、手を挙げた青森県にDCを手渡しました。青森県は、新八戸駅開業、新青森駅開業の2回にプラスして3回目の新函館・北斗駅開業のDCも手中に収めました。

 青森県は3度のDCで、かなりしたたかに開業効果を取り込みました。

 これからも、北陸から大阪への延長や、リニア新幹線、四国新幹線など、札幌延伸と同じようなライバルが現れる事が考えられますことから、同じような轍を踏まないように積極的に対策を打つことが必要です。

 まとめとして、海外観光客や、道外観光客も大事ですが、観光入り込み数の8割を占める道内観光客にも効果的な戦略を打つことで、域内循環、外貨を外に逃さない対策にも重点を置くべきです。

 

 そして、ブームは必ず去るものですから、その後をどうするか常に考え、将来展望を作り上げる作業を怠らないこと。

 地元をキーワードに、

 ○地元にこだわった

 ○地元ならでは→ここにしかない

 ○地元のおすすめ→地元の人に人気の食やスポット

 ○地元の人には当たり前の風景や、遊び(港でのかに釣り、花見のジンギスカン、七夕の 近所回りなど)、

  ターゲットに応じた戦略→マニアックの誘致

 

 これまでの観光にプラスして多彩なメニューと変化を提供し、いつ訪れても新しい発見があるという観光を目指すいうことが必要と思いますので、私どもも含めた関係者が一体となって観光の未来作りに努力したいと思います。

 

 という内容ですが、参加していただいた方々に私の考えの全てを伝えられたかは神のみぞ知るです。


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