観光税(宿泊税)の検討
- 2019年05月06日
新聞で、「観光税」のことが掲載されました。
北海道は観光立国と自負していますし、実質的にも観光客の入込数は年々右肩上がりとなっており、インバウンドによる外国人観光客も全道各地を訪れています。
一方、北海道観光に関するキャンペーンなど促進事業は行政が直接かかわることなく北海道観光振興機構にほぼ丸投げとなっています。
ほんの数年前まで観光機構への予算措置は約5億円ほどで、その当時の沖縄県の観光予算は20数億円、この当時から観光にかける行政の予算には知事の考え方に差がありましたが、最近では、観光機構への予算も沖縄県並みに増額されてきました。
しかし、インバウンドや国内観光の需要が増えると他府県との競争も激化し、案内板や観光関連施設の整備のほかに、様々なキャンペーンなども必要となってきます。
それらの整備に関する財源を確保するために、自治体が独自に徴収することが出来る目的税が着目され、国内では、東京都、京都府、大阪府、沖縄県などが宿泊税を導入、道内でもニセコ町でも導入が進められ、倶知安町も検討を行っています。
道も、知事の諮問機関である「北海道観光審議会」において観光予算確保のための宿泊税が検討されてきましたが、道内に宿泊する場合には道民も宿泊税を徴収されることになることから、負担感が大きいのではないかという懸念も表出し始めました。
新聞には自民党の道議から待ったがかけられたと報道されていますが、自民党は、消費税が増税される時期に観光税もとなれば、道民の理解は得にくいことを懸念していましたが、徴収対象に道民を含めることに疑問を投げかけたのは、私たちです。
その理由は、北海道は広大な面積を有しており、例えば仕事で道庁所在地(他県では県庁所在地)である札幌市へ行かなければならない場合でも、他都府県のように日帰りで済むというわけにはいきません。
函館を見ても判るように、札幌まではJRで3時間半~4時間(発着便によるが)かかりますし、車では約5時間もかかります。ましてや県内にある県庁所在地まで航空機で、なんという県は北海道だけではないでしょうか。
従って出張も日帰りは難しいことから宿泊しなければならず、また道民が家族で道内観光をすることがごく一般的なのが北海道です。
先行都府県のように県庁所在地への出張も日帰りが可能で、県民の県内旅行もあまり見受けられない地域と北海道では比較対象にならないことから、宿泊税を導入する場合にも道民からは宿泊税を徴収せず免除することにすべきだと主張しました。
函館市長も宿泊税を含めた観光税の導入を検討すると話していましたから、これからはこの新税の導入が様々な自治体で議論されることになるでしょう。
観光予算確保のためと税の負担、より慎重な議論が求められるものと思います。