解散の大義
- 2019年06月06日
衆議院解散の風が微風なのか強風なのか訳が分からない昨今です。
二階幹事長は「解散の大義は1日あればすぐ作れる」と豪語、安倍晋三氏は「風は気まぐれ」と煙に巻き、森山国対委員長は「来週、新しい法案(AIなど最先端技術を活用したまち作りを目指す<スーパーシティー構想整備法案:仮称>)を提出するようなので、会期延長は無いという事を言う時期では無い」と話しています。
各人が勝手なことを言っているように思われますが、その勝手な言葉の終着駅は同じ所では無いかと思います。
秋に控えた消費税の増税について、今の経済状況では問題が有ると思っている国民は非常に多くなっていますが、それを理由に解散する事は経済政策の失敗を認めることであり、その事以外に解散の大義を求めているのが今の姿ではないでしょうか。
安倍晋三氏は2年前のG7で、各国首脳の前で、「今の世界的経済の低迷はリーマンショックに値する」と述べ、各国首脳から失笑を買いました。
そして、そこで消費税増税を先送りする下地を強引に作り、その後の衆議院解散の理由を「子育て世代への投資を拡充するため、消費税の使い道を見直すことを今日決断した。新しい判断だ。」と言って消費税増税を先送りの大義にし、少子高齢化と北朝鮮の脅威を国難と称し、「国難突破解散」と言いました。
さて、少子高齢化は解決したのでしょうか。そして、北朝鮮の脅威は改善されたのでしょうか。
この解散の成果は、安倍晋三氏にとっての難局であった「森友・加計問題」が、この解散により雲散霧消と化したことで、全く個人的な理由の解散だった事が裏付けられます。
今回も消費税増税を先送るするために衆議院を解散するということは明白ですが、もう一つ、安倍晋三サイドの目論見は、前回同様に安倍晋三氏個人にとってのアキレス腱である外交問題の失政、とりわけ米国との貿易協定の密約問題、北朝鮮への条件を付けない首脳会談の説明責任、韓国との外交関係の悪化、北方4島返還への赤信号等を、解散によって「うやむや」にすること以外に無いのではないかと思います。