言行不一致の両首脳
- 2016年05月28日
日本国中、サミットに関わるオバマ大統領の広島訪問で、安倍晋三とオバマ氏の評価が上がっていますが、なかなか手放しでは喜べないのではないかと思います。
安倍晋三がオバマ大統領を広島の「原爆資料館」の前で出迎え、二人で、原爆資料館に入っていきましたが、約10分ほどで資料館から出てきてしまいました。
私が資料館を訪ねた時は、館内を見学するのに約2時間ほどの時間を費やしました。
それでも、十分に見学し終えたとは思えませんでした。
それが10分足らずで、被爆の何を感じることが出来たのでしょうか・・・。
そして、館内で教えられながら折り鶴4羽を折り、2羽を被爆3世の二人に手渡したと報道されていましたが、10分間の間、館内で記帳し、折り鶴を4羽作れば館内を見て歩く時間はほとんど無いものと思わざるを得ません。
そして、献花の後に行ったスピーチでは、資料館の感想を一言も述べませんでした。
私が、もしオバマ大統領であったら、「71年前、雲一つ無い明るい朝・・・」と始める前に「資料館を見学させていただき、心に大きな悲しみを覚えた。」と付け加えたであろうと思います。
結局、オバマ大統領は、資料館には入りましたが、ほとんどの展示を見ることなく出てきたのではないかと思います。
ケリー国務長官とは比べようもない、アリバイ作りの資料館訪問だったのではないかと思えてなりません。
そして、巷間言われているように、プラハ演説で核廃絶を訴えても「臨界前核実験」やプルトニウムを使用した「核性能実験」を繰り返し、新型長距離巡航ミサイル(LRSO)や戦略核に関わる各種兵器の開発に今後約110兆円をつぎ込むことを政策決定、米国は「包括的核実験禁止条約」や「核兵器禁止条約」の批准もしていません。残念なのは、被爆国の日本も「米国の核の傘」に入っていることから、批准しておらず、世界各国から言行不一致との批判を受けています。
思い出して下さい、昨年の「広島平和祈念式典」での安倍晋三の挨拶を。
平和記念式典において歴代の総理大臣が必ず触れていた「平和憲法」と「非核三原則」を初めて一切触れずに挨拶し、式典参加者から「戦争法案を撤回しろ!」、「安倍は憲法を護れ!」そして、「帰れ!」とのヤジが飛びました。
その後、安倍晋三は、「集団的自衛権の行使」を中心とした「安保法制」を強行採決し、「武器輸出三原則」を撤回して「防衛装備移転三原則」を新たに制度化し、武器の輸出に道を開きました。
そして、安倍晋三自身、2002年、小泉内閣の官房副長官時代に「核兵器使用は違憲だとは思わない」と発言していましたし、自民党内では、2011年には石破茂自民党政調会長が「核を作ろうと思えばいつでも作れる」と報道ステーションで語り、決定的には「憲法は核兵器保有を禁止せず」と閣議決定までしているのです。
広島にオバマ大統領が来訪しましたが、そこでのオバマ、安倍晋三両氏の挨拶が実に色あせていることに私たちは気がつかなければなりません。