認識の違いが明らか
- 2018年11月17日
一昨日のブログで、安倍晋三氏の外交は外面(そとづら)と内面(うちづら)が違うのではないかと書きました。
それは、プーチン大統領やトランプ大統領、周 近平主席などとの会談後に安倍晋三氏が国内向けにコメントする内容と、本来の会談内容との間に乖離があり、そのことが後に発覚すると言い訳をし開き直るという姿を毎度のように見せつけられるからであり、会談内容についての双方の基本認識が違っていたのでは、国会での議論は違う方向となり国益にならないと思うからです。
14日の日ロ首脳会談で話された内容も、会談後の記者会見で安倍晋三氏が話した内容と、後にプーチン大統領がコメントした内容も同様に大きな違いが有りました。
安倍晋三氏が、「日ソ共同宣言を基礎にした交渉を加速させることで合意した」と話しましたから、政府筋は「総理は歯舞群島・色丹島の2島返還と国後島・択捉島の自由往来という2島プラスアルファーに舵を切った」と解説しましたが、一方、菅官房長官は「4島の帰属問題を解決してから平和条約を締結するというこれまでの基本は変わっていない」と記者会見で述べています。
これを見ても日本の基本的戦略は何処にあるか、さっぱり解りません。
記者が問うても、「外交に関することなので明らかに出来ない」との一点張りです。
一方、プーチン大統領は「共同宣言には『平和条約締結後にソ連は2島を引き渡す』と書かれているが、2島は何を基礎に引き渡され、島の主権はどちらになるのかは書かれていない」とコメントし、平和条約締結が先か、返還が先か、2島を返還するのか、返還するにしても帰属はどちらかはこれからの交渉で決まることという見解のようです。
それでは、これまで同様に日本とロシアとの領土問題はその認識も含めて全く進展していないと言うことになります。
今まで、23回も会談をしていて共同経済活動などと豪語しても、両国の認識の隔たりは1mmも進んでいません。
国会の議論も、これまでのような乱暴なやり取りでは(安倍流では丁寧なやり取り)は結論が出ないでしょう。
政府内や菅官房長官、ましてや自民党内部とどのように調整し、国会の場において国民の納得できる結論を導くことが果たして出来るのか。
これまで同様に拙速な結論で亡国の道を進まないようにして欲しいものだと思います。
領土問題は国家の基本的な問題であり、元島民の年齢のせいにだけはして欲しくないと思います。