議員報酬と海外視察の報道
- 2010年12月22日
○議員報酬と海外視察の報道
今日の北海道新聞に議会に関する道民意識調査の結果が掲載されていました。
議員のマイナスイメージを作り上げることを意図したかのようなマスコミの手法には、「またか」という諦めにも似た感を抱きます。
まずは、議員報酬について私の実態を申し上げます。
現行の北海道議会議員の議員報酬は、条例上の金額90万円から自主的に10%削減をしており、81万円となっています。
ご存じのように、道民の多くは81万円の報酬というと高額な所得を得ていると思われていますが、私の例を申し上げますと、
支給額 810,000円
所得税・・・・・・・・・・63,020円
住民税・・・・・・・・・・81,600円
共済掛金・・・・・・・・80,600円 法定控除額合計 326,420円
国民健康保険・・・・71,000円
国民年金・・・・・・・・30,200円
議員互助会・・・・・・10,000円
議員会費・・・・・・・110,000円 法定外控除額合計 135,500円
議連党諸会費・・・・15,500円
支給額810,000円 - 控除額461,920円 = 348,080円 となり、これが手元に残ります。
さらに、民主党党費、4年ごとの選挙資金積み立て等を差し引いて手元に残る額は、皆さんの思っているほどのものとはなっていないことはお判りだと思います。また、この他にも、議員であるが故の様々なお付き合いでの支出があることはご存じの通りです。
企業等の役員や顧問などで副収入(こちらが本収入の方もいると思うが)のある議員と違い、これが私のように専業で議会活動をしている議員の平均的収支だと思います。
ちなみに、公務員の給与や議員の報酬が高いのではと指摘される報道関係の皆さんの年収はどのような額なのか(取材に関わる手当も含め)、高い購読料を払っている私たちに公表することによって新聞記事が説得力を持つものと思い、これまで関わりのある新聞記者の方々にお尋ねをしましたが、残念ながら口を濁すだけでした。
さて、次に議員の海外視察についてですが、海外調査が不必要であると考える方は、海外調査が調査に名を借りた旅行ではないかという疑問を抱いていることにあると考えますし、このことは、マスコミ等でもかなり喧伝されていることから有権者の多くの方もその通りと思っておられるかもしれません。
確かに、古いタイプの議員の中にはそのような方がいたのも事実であり、そのことが誤解を生む原因ともなっていたものと思います。
しかし、そのことが全てではありません。
事前に調査の必要性とその目的を決め、訪問先を精査し、学習会等を開催して予備知識を得、訪問先での意見交換内容や質疑をまとめ、調査後に報告会の開催やホームページ、議長、議会事務局に報告を行い、また、得てきた経験と見聞を議会発言に活かしたり、北海道に当てはめた政策を提言する議員も多く存在します。
とりわけ北海道は、広域・分散、積雪・寒冷型の地域特性を持ち、農・林・水産業であれ、観光であれ、健康産業であれ、環境産業であれ、雪国文化であれ、先住民族問題であれ、北方領土であれ、様々な観点で、北海道を除いた国内とは一線を画した独自の地域事情を持ち、その中で産業・文化等を創造・維持してきました。
そして、その発展のためには、国内だけではなく海外をも視野に入れた様々な政策や行政制度を参考とし、時には進取の気概を持って道政に取り入れることが重要であることは論を待ちません。
グローバルな時代にあって、知事や道の役人だけではなく議員も国際的な感覚を備えることは必須の課題であり、海外視察は今まで以上に必要となってくるものと思います。