議場に赤ちゃん
- 2017年11月24日
女性市議が熊本市議会定例会の本会議場に、生後7ヶ月の赤ちゃんを抱いて出席し、物議を呼びました。
この市議は妊娠中から赤ちゃんを議会に連れてくることを議会事務局に相談していましたが、前向きの回答が得られなかったので実力行使をしたとのことです。
一般的には、この女性市議の行動について好意的に受け止められそうですし、そのことを許容できない議会が古すぎると批判を受ける事につながりそうですが、少し、客観的に考えてみたいと思います。
女性の社会進出を推進するためには、妊娠・出産・育児という子育てと仕事の両立がネックになっているのは周知の通りです。
一方、働く多くのお母さん達は、祖父・祖母などの家族や保育園等に子どもを預けて仕事をしています。
無論、子どもを預かる環境が十分に整備されているかと言えば、未だに待機児の問題は解消されておらず、「保育園落ちた、日本死ね」の言葉にあるように、働きたくても働けないお母さん達がいるのも現実で、国や自治体も十分ではないにしても保育士の待遇改善や保育園の増設などを行い、さらに保育料の負担軽減なども徐々に推進して、その環境整備に力を尽くしています。
この女性市議は「女性が活躍できるような議会になって欲しい」と説明されていますが、議員の場合、基本的に本会議中や委員会開催中は議場を、委員会開催中も自席を離れないことになっています。
本会議中や委員会開催中に自由に離席出来ないのは、離席中に本会議や委員会で何が起こるか分からず、事が起きた場合にはすぐに対処しなければならないのが議会だからです。
会議中に赤ちゃんが泣き出したり、おむつ替えや授乳をしなければならない場合、会議の中断を余儀なくされる事が想定され、そのことが本会議や委員会の期間中いつでも起こり得るということになれば、多くの関係者に迷惑をかけるどころか、その結果として市民にも影響が及ぶ事にもなりかねません。
私は、女性の社会進出に肯定的ですし、そのための環境作りにも努力したいと思います。
女性市議は、まず、議会事務局へ相談をしたそうですが、それはお子さんを保育園などに預けることよりも、お子さんを議会に連れて行くという発想から始まっているような気がします。
女性市議が子育てと議員としての仕事の両立を考えているならば、議会控え室などに託児施設を設けることが出来ないか、さらに、議員だけではなく議会棟に隣接する熊本市役所職員や近隣のお子さんのために市役所内に企業内保育所の設置を提言し実現する努力をすることではないでしょうか。
今回のことは、少しパフォーマンス的に感じてしまいました。
皆様はいかがお考えでしょうか。