負傷兵の受け入れ(ブログ3225)
- 2023年05月22日
G7広島サミットにウクライナのゼレンスキー大統領がリアル参加しました。
そして政府は、サミットに合わせて、これまで以上にウクライナ支援をアピールするために、ウクライナ軍の負傷兵を日本で受け入れ、治療やリハビリを行うという事を表明、6月にも二人の兵が来日して、東京の自衛隊中央病院に入院することになったようです。
先ずは二人の受入から始まるようですが、単なる思いつきなのか、受け入れに伴う様々な懸念が議論されてきたとは思えません。
現在のウクライナ国内での医療状況はどうなのか、隣国であるポーランドの受入体制は、EU内ではどのように取り扱っているのか、米国はウクライナの負傷兵にどのように対処しているのか、距離的に一番遠い日本で受け入れる事が必要なのか、どこまで受け入れるのか、戦争支援はどこまで必要で、日本としてどこまで行うのか、戦争への関与は憲法と整合性がとれるのか。私たちは日本政府の考え方を何も知らされていません。
無論、人道的に肯定することも必要なのかも知れませんが、人道的と言うことに着目するのであれば、ロシアが望めばロシア兵の受け入れも行うのか、今後世界各地で勃発した戦争による負傷兵の受入はどうするのか、人道的な行動には差別や区別は排除されなければなりません。
バイデン氏は、ゼレンスキー大統領の要請に基づき、F16戦闘機の供与も行うようです。米国に言われれば「ノー」とは言えない日本は現在、「防衛装備移転三原則」の基づき、防弾チョッキやヘルメット、ドローンなどの殺傷能力の無い装備の提供に留めていますが、これまでの様に、いつ勝手に閣議決定でこの一線を越えるのかとても気がかりです。
いつの間にか国民の知らないうちに、人道的な配慮という大義名分で負傷兵を受け入れる事になりましたが、これはまさしく日本が直接的に関与する一歩となるという懸念が払拭できません。したがって岸田氏は国会や国民に対して、憲法との整合性を説明する義務があると思います。 そして、報道はこのことについて大きく取り上げるべきです。