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財政規律無視の補正予算(ブログ3062)

  • 2022年11月30日

 臨時国会で議論されている「2022年第2次補正予算」ですが、その予算額約28兆9,000億円の約半分近くの13.6兆円が、基金と予備費になっています。

 新聞報道によると、このうち複数年度にわたって企業などに補助金を配る基金に8.9兆円(新に16の基金を新設)、これまでに物価高騰対策とコロナウィルス感染症対策としてきた予備費も消化(?)しきれず、さらに4.7兆円上積みする内容で、実に総額の47%が喫緊の支出としての必要性に疑問を持つ予算となっています。

 また報道にあるように、補正予算とは、財政法上「特に緊要(喫緊を要する)となった経費の支出」となっており、複数年にまたがる基金や、使途を決めていない予備費は補正予算には馴染まないものなのです。

 さて、これで今年度の予備費は約11兆7,000億円となりますが、これまで一体どんな項目に使われたのでしょうか。多分ウクライナ情勢への対応とか何とか言いながら、本当に必要なのかの国会議論も経ないままに支出したものと思います。

 中央政府がこんなことだから、今定例会本会議に提出された北海道の補正予算の中身も「?」の着く内容が散見されます。

 来年度に開催予定の「G7気候・エネルギー環境大臣会合推進費」や、「ゼロカーボン北海道普及促進事業費」、「高病原性鳥インフルエンザ貿易対策事業費」などは、補正予算に馴染むのか、クエスチョンです。

 「G7・・・」は次年度開催予定の会議です。その準備費用が喫緊を要するための補正となるのでしょうか。

 「ゼロカーボン・・・」は鈴木知事の肝いりで22年度本予算に推進費が盛り込まれていますが、これが底をついたとは聞いていませんし、次年度開催のG7に併せて道民への普及啓発を、との理由ですが、これもナゼ補正予算なのか判然としません。

 「高病原性鳥インフル・・・」も、例年渡り鳥を媒介にして感染が発生することから、その消毒や感染した鶏舎の殺処分についての予算は既定予算に盛り込まれていますし、今年に入って起こった厚真町や伊達市の大規模な家禽の殺処分は既に終了ています。今後、起こることも考えられますが、想定以上の場合は、後の議会で対応すれば済むはずです。

 総じて、補正予算に計上しなければならない喫緊の支出とは考えづらいものではないでしょうか。

 政府の財政規律無視、規模ありきで進む補正予算のあり方に、地方自治体の財政担当も感覚が麻痺してきているでは無いかと疑ってしまいます。


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