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貿易戦争

  • 2018年07月08日

 米国トランプの保護主義が世界の経済を大きく揺らし続けています。

 トランプ政権が中国の知的財産権侵害への対抗策として、対中国輸入品818品目に25%の関税を課す制裁措置を発動したことに対し、中国が米国からの輸入品545品目に対し同じく25%の関税を上乗せする報復措置を講じました。

 対象品目の総額が両国とも各340億ドル(約3兆8千億円)分にも上りますが、中国の報復措置に対し、今度は米国がさらに160億ドル(約1兆8千億円)の対抗措置を行うとし、中国も同規模の報復措置をとるという「イタチごっこ」が始まりました。

 米国はさらに、今後2千億ドル(約22兆円)分の品目に10%の追加関税を課すことを検討し、この制裁合戦に負けない意思を明らかにしました。

 この米国の保護主義は日本や欧州にも発動し、鉄鋼の25%関税上乗せ、アルミの10%関税上乗せなどを行っていることから、日本や欧州も米国からの輸入品に同じく制裁を科すことにしています(日本は途中で腰砕けになるような気がしますが)。

 米国がこのような事を果てしなく続けていくと、世界第1の経済大国である米国が完全に浮いてしまうだけではなく、世界経済が危うくなってしまうことになり、否応なく日本経済にも為替や株を含めた大きな反動が訪れるでしょう。

 もう一つ、米国の関税上乗せに対し中国が行った報復措置は、トランプの地盤である農業州にダメージを与えようと、大豆や牛肉を中心に農作物に関税措置を執ったことです。

 日本は、TPPで北海道を中心とした農作物生産量に影響を来たし、結果、食糧自給率が低下することになり、このことは政府も認識していますが、食糧安全保障には高い関心を示していません。

 仮に日本が貿易戦争に巻き込まれ、日本のアキレス腱である食糧とエネルギーに高い関税がかけられた場合、その影響を受けるのは国民です。

 1993年、日本はかつてないほどの冷夏となり、その年のコメの収穫量が圧倒的に減少して店頭から日本米が消え、輸入したタイ米やカリフォルニア米を口にせざるを得なくなった事や、オイルショックでトイレットペーパーや様々なものが無くなり、物価が急上昇した経験を持つ私は、資源を他国に頼らなければ暮らしていけないことを十分に知っています。

 自由貿易と、自国が育て守らなければならない品目の保護とのバランス、難しい問題ですが、その兼ね合いの中で国民生活に不安を与えないことが政治に求められます。


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