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賃上げと物価高騰(ブログ3644)

  • 2024年07月29日

 中央最低賃金審議会が、最低賃金を平均50円引き上げ、全国平均1,054円とすることを決定しました。

 審議会が答申したことにより、武見厚労相は各地方審議会に改定額の決定を報告し、各地方審議会は、経済情勢などを参考にした3ランクごとの上げ幅を都道府県別の現在額を考慮して改定額を決定し、10月から準じ摘要となります。

 北海道はBランク、地方審議会が50円で決定すれば、改定額でやっと1,010円となります。

 ただ、最低時給が1,010円としても、1日8時間で8,080円、月20日間労働とすれば、16万1,600円、12ヶ月分で193万9,200円で、50円改定されても年収200万円以下のワーキングプアは解消されませんから、長時間労働やWワークをする事になります。

 岸田氏が30年代に時給1,500円を目指すと目標を立てていますが、その時期は明言しておらず、仮に年5%の改定を毎年行った場合、やっと2030年に1,500円に到達します。

 以前から取り上げられていますが、先進国の中でも日本の賃金は安く、海外からの労働力は米国やオーストラリアなどの他国へ流れています。

 2023年は、平均時給が1,004円でしたので、円ベースでは74円8.0%の賃上げで、当時の為替レートの1ドル=149円をドル換算すると6.74ドル。

 2021年の為替レートは1ドル=111円でしたから、ドル換算すると8.38ドルとなります。円ベースでは8%の賃上げとなりましたが、ドルベースでは19.6%の下落となっています。

 そして今は、1ドル=160円として、23年の6.74ドルの水準を維持していくには時給1,085円で横ばいと言うことになります。

 つまり、最低賃金が少し上がっても、円安のよる物価の高騰には焼け石の水どころか、所得が目減りを続けている事になります。

 最低賃金を改善することは中小・零細企業の経営にも大きく影響をしますが、人手不足を解消するには賃上げしか無く、経営はさらに厳しさを増します。

 経営が上向くためには物価が落ち着き、消費が伸びることが求められますから、政府は一方で円安への対処を行う必要があります。

 多くの国民は物価の高騰を前にして、やりくりの日々を過ごしています。

 岸田氏のトータルな経済政策を望むのは「無い物ねだり」なのかも知れませんが、そろそろ国民の怒りが爆発してもおかしくないのではないでしょうか。


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