賃上げを超える物価高(ブログ3569)
- 2024年05月10日
今年の春闘も政・労・使による官製春闘となり、連合は賃上げ5%+αを目標に取り組む交渉を行って大企業を中心に概ね目標をクリアーしましたが、残念ながら中小は5%に満たない結果の所が多く、昨年並の3%というところも多い結果となりました。
岸田氏は、政・労・使によるトップ会談では「物価高を超える賃上げを」と話していましたが、さて、5月9日の「厚労省・毎月勤労統計調査」では、3月に労働者が受け取った現金給与の総額は平均30万1193円で、前年同月と比較して0.6%上回りましたが、その一方で消費者物価指数の前年同月比では3.1%上昇し、給与の伸びを物価が大幅に超え、「実質賃金」は3.1%-0.6%で2.5%の減少となり、24ヶ月連続のマイナスで、これは1991年移行で最長を記録しました。
春闘の賃上げは4月からですが、ご存じの通り、4月からは輸入製品を含めて円安の影響を反映した食料品を中心とした値上げが行え割れました。
来月は、賃上げと物価高が新しい数字で公表されると思いますが、岸田氏は、それでも「物価高を超える賃上げだった」と言えるのでしょうか。
このままで行けば、秋にもまた食料品などが値上げするでしょう。
国の借金は3月末で1297兆円となりました。当然、5月に入った今は1300兆円を超えていることも想定されます。そうなれば、ガソリンやガスの補助金廃止も現実の問題となりますし、家計への負担は更に増すことになります。
岸田氏は、6月に行われる所得税(3万円)・住民税(1万円)の定額減税で、危機を乗り越えようとしていますが、国の借金は増える一方で、将来にツケを回すだけです。
アベノミクス以降の金融・経済政策に手を付けることもせずに借金を垂れ流す。
自分の政権の維持しか考えず、「後は野となれ山となれ」では、国も国民生活も破綻してしまいます。