軍事力指数(ブログ3081)
- 2022年12月19日
いろいろな解説があり、どれが正確な数字かと問われれば確定的なことは言えませんが、それぞれが大体似たような数字となっていますから、ある資料を参考にします。
日本の軍事費は、今年度までGDP1%枠に辛うじて収まっているとして、世界第9位となっています。
これが来年度から5年後のGDP2%に向けて一挙に右肩上がりが進みます。
そうなれば自衛隊は米国、中国に次いで世界3位の軍事費を有する軍隊となるわけです。
今年度で米国は約8,007億ドル、中国が約2,934億ドル、そしてインドの約766億ドルが続いています。
日本は約541億ドルで9位ですが、これが倍増するわけですから単純に1,082億ドルとなり、インドを抜いて世界3位の軍事費国となります。
兵士の数で言えば、1位は中国の約299万人、2位がインドの約273万人、3位が米国の約149万人、日本は24位の公表約26万人(2~3万人が欠員)。
軍事力は、軍事費と兵士数を単純に比較して出るものではなく、兵士のレベルや兵器も含めた総合力を数字に表した『軍事力指数』で判断します。
軍事力指数は、50を越える個別の要因を利用して軍事力指数のスコアを決め、完全な軍事力指数はのスコアは0.0000、これは、現実的に不可能な数字と言われています。
スコアの項目は
・人員能力:6項目
人口、可能動員兵力、現役兵員数、年間新規成人数、活用可能な人員数、予備兵役人員数
・陸軍能力:5項目
戦車、戦闘車両、自走砲、牽引砲、多目的重式ロケット発射システム
・空軍能力:7項目
総航空機、戦闘迎撃機、固定翼攻撃機、輸送機、練習機、ヘリコプター、戦闘ヘリ
・海軍力:8項目
主要艦艇、空母、フリゲート艦、戦艦、コルベット艦、潜水艦、上陸艦、哨戒艇
・資源保有能力:3項目
石油生産量、石油消費量、石油備蓄量
・物流・運動・兵站・移動能力:6項目
労働力、海運貿易力、港湾空港、道路、鉄道、空港
・経済的能力:4項目
防衛予算、対外債務、通過、金保有量、購買力平価
・地理的利点:4項目
国土面積、海岸線長、国境、水路規模
などのスコアで比較すると1位は米国の0.0606、2位はロシアで0.0681、3位は中国の0.0691、4位はインドの0.0953、5位に日本の0.1441、6位が韓国の0.1488、・・・となっています。
したがって、日本が軍事費を2倍にしたからといって単純に軍事力指数が2倍になるというものではないのです。
政府・自民党の防衛族の方々は、イケイケドンドンで勇ましいのですが、いくら軍事費を投入しても、総合力はそんなに上がるものではありません。
だから、そんなもので競争をするよりも、外交力を高める努力をすべきなのです。