農業だけではないTPP
- 2016年10月22日
今国会でTPPを成立させるために、強行採決も辞さない本音が見え隠れしています。
9月には自民党TPP特別委理事が強行採決発言で辞任、そして今度は、山本農水相が同僚のパーティーで強行採決を示唆する発言をしました。
政府・自民党は、今月中にTPPを採決し、参議院に送付すれば仮に参議院で時間がかかっても30日規定で衆議院の採決結果が優先されるため、何とか今月中の衆議院採決に持ち込みたいようです。
そして、地方公聴会で国民の声を聞いたというアリバイを作ろうとしています。
これまで、国会の衆参TPP特別委員会で集中審議を行ってきましたが、私たちには、TPP発動後の日本の姿がまったく見えてきません。
それどころか、集中審議で議論されたのはSBS米を中心とした農業問題ばかりで、他の問題は触れられてもいません。
医療、投資、知的財産、政府調達、環境、労働等の他、ISDS条項、ラチェット規定など、およそ24項目とも言われる分野の審議はまったく尽くされていません。
これらの分野の問題点も明らかにせず、それらを乗り越えても日本にとってメリットがあるという政府の言葉は説得力を持ちません。
民進党を含む野党は、ナゼそのことを国民に訴えないのか、政府に他分野の交渉内容を求めないのか、マスコミは全ての分野についてナゼ国民に伝えようとしないのか。
まったくもって国民不在としか言いようがありません。
何処の国も未だに批准しておらず、肝心の米国は二人の大統領候補も反対を表明していおり、米国が参加しないと言うことは、TPP自体が成立しないということになります。 今でさえTPPに関わる米国との二国間交渉で、日本は米国の言いなりとなっています。
政府は、私たちが判断出来るように、情報を明らかにすべきですし、何より、農業以外の分野についても十分に審議を行う義務が有ると思います。