農業をダメにするのか(ブログ3675)
- 2024年09月02日
昨日は、コメの流通不足つまり店頭での品薄について記載しましたが、日本政府はコメ余りを理由にこの間「減反」を政府の方針として推し進めてきました。
その結果、米農家は所得の減少が続き、担い手が不足して高齢化し、離農する農家への歯止めが出来ず、まさしく日本は食糧危機と進んでいます。
コメが少なくなってしまった結果として流通量が減ったのでは無く、政府がコメの生産にクサビを打ち続けた事によって引き起こされた事象である事を私たちは認識しなければなりません。
加えて政府は、農業の憲法とでも言うべき「食料・農業・農村基本法」を改定して、さらに農業を圧迫する方針を政府として推し進めることにしました。
全消費量の1.5ヶ月分しかない「備蓄米」に対し、過剰在庫という理屈をつけ、①生産者に生産調整の強化を求め②「水田利活用支援」と銘打って、水田を畑にしたら支援金を給付する(たった1回限り)として水田を潰す③農家の赤字補填は行わず⑤そして流通業界が価格を低く求めることから農家はコメを生産する意欲が失せる。
どれだけ、稲作農家が苦しんでいるか。週刊金曜日の記事を別掲します。<実際、農林水産省公表の経営収支統計を確認すると、農家の疲弊の厳しさに驚く。2020年で、稲作農家が1年働いて手元に残る所得は1戸平均17.9万円で、自分の労働への対価は時給にすると181円。21年、22年は両年とも、所得は1万円、時給で10円まできている。
ある稲作農家が話してくれた。「家族農業のコメ作りは、自作のコメを食べたい、先祖からの農地を何としても守るという心意気だけが支えているような気がします。」と。
酪農経営では、平均で所得はマイナス、特に、酪農業界を牽引して規模拡大をしてきた最大規模階層(平均330頭)では、赤字が平均2,000万円を超えている。
肉用牛経営も同様で、平均所得はマイナス、小規模層では辛うじてプラスだが、最も業界を牽引して規模拡大をしてきた平均1,300頭の大規模層では赤字が平均3,000万円にもなっている。コメも酪農も畜産も、まさに「総崩れ」の様相を示している。
しかも、このような「総崩れ」の事態を放置して、非効率な農家への支援策は出さずに、有事には生産者を罰則で脅して強制増産をさせる「有事立法」を準備してしのぐという。 そんな事が出来るわけもないし、して良いわけではない。>と掲載しています。
新しい「食料・農業・農村基本法」はこれらの事を国策として推し進めると言う内容となっています。
相変わらず食料を海外に依存し、高い金を出して輸入して国民に高い食料を買わせ、有事になっても何とかなるとタカを括っている政府によって、日本人は「飢え」という言葉を意識しなければならなくなってしまうのではないでしょうか。