辺野古でも隠蔽
- 2021年11月29日
沖縄県の玉城知事が、辺野古基地建設工事に関わる防衛省の設計変更申請を不承認としました。
防衛省はまた沖縄防衛局を使って国交省に「行政不服審査」を申請し、国交省はシナリオ通り沖縄県の不承認を不当とする判断を行うのでしょうし、その場合は県も「国と地方の係争処理委員会」に訴えるでしょうが、国交省は高裁に「行政代執行を求める訴訟」を起こし、司法がこれを認めるということになるでしょう。
何せ、国交省も防衛省も国・地方係争処理委員会も高裁も全て国の機関ですから。
しかし、ここに至って一つの事実が明らかになりました。
共同通信が情報公開請求で入手した文書で、「防衛局がボーリング調査を依頼していた業者が、15年4月の段階で南東部の『B28』という地質調査地点について『土木的に問題が多い地層が厚く堆積している』と報告し、『長期の沈下が考えられる』と施工上の懸念も指摘している。」ということを沖縄タイムスが発表しました。
ご存じの通り、政府が軟弱地盤の存在を正式に認め、地盤改良が必要だと表明したのはそれよりもかなり後の19年1月のことですが、すでにこの事実を知りながら15年10月には一方的に本体工事を強行したことになります。
勘ぐれば、「工事を始めて既成事実化してしまい、その後は後戻りはしないと沖縄県の要望を拒否し続ければ、軟弱地盤が発覚してもどうとでもなる。」と、未必の故意を実行したともとれますし、防衛省の官僚が、「これしかない」と言い続ける総理に忖度して、軟弱地盤の報告をあえて引き延ばしたともとれます。
「B28」地点に隣接する「B27地点」では、軟弱地盤が海面下90mまで広がっていることも判っています。しかし、海面下70mまでは工事が可能ですが、それ以深の工法は世界でも類がなく機材さえ開発されていません。
そして、工事費はうなぎ登りとなり今や1兆円とも言われています。
軟弱地盤を知ったのはいつなのか、マヨネーズ状の地盤の上に、戦闘機の発着する飛行場と艦船が着岸する基地が建設出来るのか、そしてその機能が維持できるのか、それらの疑問に政府は科学的根拠を示して証明すべきです。国会での深掘りした議論を期待したいと思います。