辺野古建設の承認撤回
- 2018年08月16日
沖縄県は、辺野古埋め立て承認の撤回に向け、沖縄防衛局の意見や反論を聞き取る「聴聞」を終えました。
前知事が埋め立て承認をした時の前提条件は、新たな事態が生じたことからその効力を失ったというもので、新たな事態として
①基地近くにある沖縄高専の校舎などが米国防省基準の「高さ制限」に抵触することが判 明した。
②珊瑚やジュゴンなどへの環境保全対策を示さずに工事に着手した。
③埋め立て護岸を建設する予定地が軟弱地盤であることが判明した。
④埋め立て予定地全体の下に活断層が存在する疑いが生じた。
⑤辺野古が完成しても「緊急時に使用できる県内1カ所(那覇空港)を含む国内12カ所 の空港」について、日米が合意しない限り普天間は返還しないという米国政府の立場が 示されている事実が明らかになった。
などが新たに生じた事態であって、このことについて日刊ゲンダイには辺野古反対運動の幹部の話として
「このどれもが、前知事が埋め立て承認を行った時には県民はもちろん県知事にも分かっていなかったことで、これは十分に撤回の理由になると思う。
特に②の地盤の軟弱という問題は、沖縄防衛局による地質調査で明らかになったことで、同局が開示した16年3月の地質調査報告書には『N値ゼロ』ということが明記されています。N値ゼロということは、食パンに挟んだマヨネーズのようにフニャフニャだということで、そんな上に滑走路など造れるはずがない。」と掲載されていました。
防衛局は、市民団体の情報公開請求まで調査報告書を開示せず、「聴聞」における県のこれら指摘に対し、「液状化の可能性は低い」、「圧蜜沈下は生じない」などと回答しましたが、具体的な科学的実証は示しておりません。
珊瑚やジュゴンなどの環境保全についても、埋め立て承認時に提出した内容と異なる工事を事前協議も無しに進めており、これも承認内容違反となります。
また、普天間基地返還の代替え措置としての辺野古への新基地建設ですが、昨年の参院外交防衛委員会において稲田防衛相は「辺野古基地が完成したとしても8つの返還要件が満たされなければ米軍普天間基地は返還されない」と発言しました。
⑤に有るように、新基地を造っても那覇空港など長い滑走路を持つ民間空港を米軍に使用させなければ普天間は返還されないことを防衛相が自ら認めたことになります。
これも、前知事時代に国からの説明はまったく無く、新たに生じた事態です。
これら、国の欺瞞が沖縄を苦しめています。
以前にも在沖縄海兵隊の任務の変化について記載しましたが、国が唯一の解決策と言っている辺野古基地建設も、アチコチにほころびが生じ始めました。
改めて政府、安倍晋三氏は常々口にしている「国民の納得が出来る説明を丁寧に行う」ということを実践していただきたいと思います。