透明性及び腐敗行為の防止
- 2016年02月07日
TPPの協定文の署名が行われました。
日本は、甘利前大臣が「あっせん利得罪」容疑で大臣を辞任したことから、日本代表として高島修一内閣府副大臣を派遣しましたが、日刊ゲンダイでは、『舞い上がりっぱなしで、自身のブログに「私一人に空港まで6台の白バイとパトカー、上空からヘリコプターが警備に付く厚遇でした。ブルーチーズが美味しかったです。」
新潟6区の3代にわたる「お坊ちゃま」議員で、通常の外交交渉の場面ではスーツが常識ですが、初めての和装で違和感ありあり』など、そのはしゃぎぶりが掲載されていました。
さて、TPPの協定についても、甘利前大臣に関わることが日刊ゲンダイに掲載されていましたので、再掲いたします。
『「透明性および腐敗行為の防止」-TPP協定の透明性及び腐敗行為の防止の章は、良い政治の強化並びに贈収賄及び腐敗行為が経済に与え得る影響への対処という全TPP問題締約国によって共有された目標を促進することを目的としている。(略)締結国は、腐敗行為を行う公務員に懲戒その他の措置をとることを定める措置を採用し、又は維持することに努めることに合意する。
ちょっと小難しいが、要するに「贈収賄は厳禁」、とりわけ公務員の汚職は絶対禁止-
という内容である。
TPPの目的は、「市場開放」、「自由競争」だから、ワイロで市場をゆがめるのは言語道断ということだ。なのに、日本は担当大臣が「政治とカネ」の疑惑を持たれているのだから、ブラックジョークだ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう言う。
「民間に任せて、市場競争を促そうというのがTPPの趣旨。よりによってその旗振り役にワイロ疑惑ですからね。今回の醜聞で日本の国際的評価が下がるのは避けられません。」こんな男が日本のTPP問題の「キーマン」だったなんてお笑いだ』
と掲載されています。
甘利前大臣も署名に行った高島副大臣も、揃いもそろって日本の恥。
甘利前大臣側とS社の関係は、13年4月の国会決議後の6月に始まりました。
まさしく、農産品5項目についての国会決議を最重要視しながら米国との二国間交渉、そして、国民を欺き妥協を重ねての最終交渉、そして大筋合意、一方でS社とのズブズブの関係が深まり、本人、秘書併せて1,600万円ともいわれるワイロを「よっしゃよっしゃ」と受け取るという、TPP交渉における協定の要である「透明性及び腐敗行為の防止」を完全に無視し、「カネをもらってルールを変更し、特定業者への利益の拡大を図る」という背任行為を行ってきました。
この方が進めてきたTPPを信用できるはずもありません。
署名が終わっても、まだ国会での承認が残されています。
米国にとって「1害無くて百利あり」、日本にとって「百害あって一利なし」のTPP批准に断固反対し、米国にだけ甘い汁を吸わせないようにしなければなりません。