連合新会長誕生
- 2021年10月07日
連合の新しい会長が初の女性となり、衆目を集めています。
1989年連合発足以来のことであると共に、出身の産業別労働組合(産別)で委員長を経験していないことも初めてで、大企業労組出身では無く中小製造業を中心とする産別(JAM)ということも異例だと思います。
新会長に就任した芳野友子氏は、就任早々から、大きな課題に取り組まなければなりません。
先ずは、19日告示31日投開票の総選挙です。
連合内部は、特にエネルギー問題で支持政党が分かれていますし、政権交代が実現した場合、立憲(立憲民主党)が共産党と閣外協力をする事として選挙協力を結ぶことになったことから、共産党にアレルギーを持つ連合内部の組合は、立憲をも支持しない方向を打ち出すところも出てきました。
6日の連合大会で、どのような政治方針を打ち出したのか分かりませんが、内部が波乱含みとなっている連合を政治闘争でまとめていけるのかが問われます。
また、就任に当たって語った「ジェンダー平等と多様性に満ちた社会の実現、性差別解消や非正規で働く女性らの待遇改善」などは、とりわけ規模の大きい労働組合ほど「本音と建て前」を使い分ける狡さも持っている気がしますから、これも「言うは易し行うは難し。」、しかし、芳野氏には多くの女性労働者の期待がかかり、結果が求められます。
さらに、芳野会長を取り巻く執行部には、大産別の委員長らが控えています。
新しい女性会長を盛り立てようと力を合わせるのか、それともお手並み拝見と突き放すのか。
様々な難題を目の前にした船出です。
しかし、労働組合の原点は「団結」です。一人一人では弱い労働者ですが力を合わせて大きな塊となり、大きな壁の経営者と対等に渡り合う。そして困っている人には手を差し伸べる。「一人はみんなのために、みんなは一人のために(ワンフォーオール・オールフォーワン)」が労働組合の信条です。
連合組合員全体で新しい女性の会長を支え、これからも女性のリーダーが出現する素地を作り上げてほしいものだと思います。
そして芳野会長には、「したたかに、しなやかに」活躍し、古い前例主義や固い頭の男性を爽やかに変えていって欲しいと期待します。