過労を認めない法整備を
- 2017年01月31日
働き方改革がおかしいとは思いませんか?
電通の社員であった「高橋まつりさん」が過労自殺したことを受け、安倍晋三は「二度とこういう事があってはいけない」と話し労働基準法の改正を明言、そして家族の過労死を経験した遺族や、残業が日常的となっている多くの労働者が期待していた政府の改正案が示されましたが、その中身は期待していたものと真逆となる、残業の強化とも言えるものとなってしまいました。
過労死ラインが月80時間から100時間であるのにも関わらず、改正案はご存じのとおり平均月60時間、年間720時間としつつ、繁忙期には100時間まで認め、それも2ヶ月間平均で月80時間であればOKというものです。
これが、安倍晋三の言う肝いりの改正内容なのです。
相変わらず軽い言葉で国民を騙しながら、その実は企業の思惑通りにしか動かず、そのことで経済界からの政治献金を促し、その金を利用しながら電通(過労死の元凶)などの広告会社に、働き方改革の国民へのキャンペーン等を任せるという、おかしなことを平気で行うやり方に、国民はいつも疑うことなく騙されます。
労働基準法第36条は、勤務時間を週40時間と規定し、残業は月45時間を上限としています。
残業は、やむを得ない場合に行われるもので、労働基準法を基本とした労働者と使用者の契約(労働協約)が勤務時間の原則であることはその論を待ちません。
1日8時間労働は、1886年5月1日にシカゴを中心に8時間労働を求める統一ストライキが行われ、それまで12時間から14時間労働が当たり前だった当時、労働者の権利を求めたこの運動が認められ、それ以後1日8時間労働が実現し、5月1日は今もメーデーとして労働者の祭典が行われています。
その後、徐々に時短が進み、月に2回土曜日を休日とした隔週・週休二日制が試行され、今の完全週休二日制が実現しました。
しかし、今は労働協約さえも守られず、残業が蔓延し、休日である土日でさえサービス残業が当たり前となってしまい、残業しても残業代がまともに支払われないことがまかり通っています。
そして、今回も労働時間を定めない「高度プロフェッショナル制度」(いつも問題になりそうな法の内容を隠すように、耳あたりの良い名前にする)、「同一労働・同一賃金」等を抱き合わせ、時短も、働き過ぎを是正する労働規制も無視する内容を提案しようとしています。
今、働くあなたと、働くあなたの子ども、そしてあなたの周りの働く労働者と一緒に、労働者のために資する労働基準法に改正するよう行動を起こさなければなりません。