道議会とロシアの関係
- 2022年03月03日
ロシアの攻撃が日増しに激しさを増し、ウクライナの状況は日に日に厳しいものとなっています。
この状況に対し、全国で定例本会議が行われている地方自治体は、本会議の質疑に優先して“ロシアのウクライナ侵略(侵攻)”に抗議する決議が行われおり、道議会においても、今日の代表質問の前段に「ロシアによるウクライナへの軍事侵略に対する決議」を採択しましたが、この採択にあたって会派間の温度差が明らかになりました。
道議会の会派の中には、この問題に対して決議を採択することに慎重な考えを持つ会派も有り、ロシアを刺激したくないという考えからか、表題には“抗議する”とか“非難する”という文言が入っておらず、表題を見ただけでは何の決議か判りづらいものとなっていますし、昨日決議を採択した札幌市議会のように、決議を在日ロシア大使館に送付することも無いようで、単に決議を採択したというアリバイを作っただけという気がします。
決議は議会の総意として採択するもので有ることから妥協はつきものですが、問題が問題だけに非常に残念です。
決議の内容は、「ロシアとの国境隣接地であり、これまで積み上げてきた本道とロシアの関係を無にしかねない。」、また「北方領土問題を抱える地域として経済交流や人的交流等を通じてロシアとのつながりを深めてきた歴史がある。」などの文言が入っています。
確かに、北海道は北方領土問題に関わってビザ無し渡航や漁業権など他都府県とは違う環境に置かれていますが、だからといって今回のロシアの所業を厳しく糾弾することに配慮する理由にはならないと思います。
先ほども述べましたが、道はロシアとの国境隣接地であり道議会内には“日ロ友好北海道議会議員連盟”が議員有志で組織されており、これまでもサハリン州(北方4島含む)を中心に毎年相互交流を行ってきましたが、ここ数年はコロナ関連で中止に至っており、今後についても、ロシアによるウクライナ侵略がどのように解決しても、ロシアに対する世論の評価は著しく低下することでしょう。
その中で議会としての交流が今までと同様に促進されるとは考えづらいと思います。
北海道は他都府県とは違い、より積極的にロシアとの交流を進めてきましたが、再考しなければならないことになりそうです。